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M&Aニュース

                                               2009年6月25日
 



  「企業結合会計」論点整理のたたき台の検討始める

   
  
   ASBJ 親会社持分の変動差額は損益として認識するか

  
  
  企業会計基準委員会(ASBJ)は5月20日、第65回企業結合専門委員会を開催した、EU同等性評価対応項目以外の差異項目を対象とする「企業結合(ステップ2)」に関する論点整理の文案の検討を開始した。今回の専門委員会で中心に議論されたのは、少数株主持分の処理方法。親会社持分の変動を資本取引としている国際財務報告基準(IFRS)と差異が生じている。次回以降、のれんの償却など他論点の検討を行い7月に論点整理を公表する予定だ。


◆ 「親会社持分の変動」IFRSは資本取引


 「論点1」として取り上げられるのは、連結財務諸表における少数株主持分の取扱い。日本基準とIFRSとの差異は、@連結財務諸表における表示等、A支配が継続している場合の子会社に対する親会社持分の変動、B共通支配下の取引等、である。
 今回、中心的に議論されたのが、Aの子会社に対する親会社持分の変動である、現行の日本基準では、子会社株式を追加取得した場合、追加取得した株式に対応する持分を少数株主持分から減額し、追加取得により増加した親会社の持分(追加取得持分)を追加投資額と相殺消去する。また、追加取得持分と追加投資額との間に生じた差額は、のれん(又は負ののれん)として処理する。また、子会社株式を一部売却した場合には、売却した株式に対応する持分を親会社の持分から減額し、少数株主分を増額する。売却による親会社の持分の減少額(売却分)と投資の減少額との間に生じた差額は、子会社株式の売却損益の修正として処理する。
 一方、IFRSでは、資本取引として会計処理される。非支配持分の修正金額と支払対価または受取対価の公正価値との差額は、資本に直接認識され、親会社の所有者に帰属される。のれんの帳簿価額は修正されず、変動による利得または損失は、損益で認識されない。


◆ 資本取引とせず損益取引として対応


 論点整理案で検討されているのは、少数株主持分をIFRSと同様に資本とするのではなく、現行の資本の範囲の考え方を維持して対応するものだ。ただし、その場合には、変動によって生じる差額を損益に計上することとなり、当該差額を過去の損益の修正とするか、当期の損益とするか、将来に繰り延べるかという点が論点になっている。検討されたのは次の3案。

案1:子会社に対する親会社持分が増加した場合も、減少した場合も、当該差額を当期の損益とする。

案2:子会社に対する親会社持分が増加した場合も、減少した場合も、当該差額を将来に繰り延べる。繰り延べる項目は、資産及び負   債とするか、評価・換算差額等とするか。

案3:子会社に対する親会社持分が変動した理由に応じて、当該差額を処理する。例えば、子会社株式を一部売却した場合、変動に    よって生じる差額は、一時の損益とする。

 なお、このように損益取引とした場合であっても、表示方法を工夫することで、IFRSとの開示における差異は僅少にできるとしている。





(以上参考;週刊「経営財務」第2919号)
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