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                                               2009年6月26日
 



  21年度税制改正 海外子会社配当益金不算入制度

   
  
   種類株式の制限を設けずに適用

  
  
  平成21年度税制改正で新設された「海外子会社からの配当の益金不算入制度」は、従前の間接外国税額控除制度に代わるもので、日本の親会社が一定の要件の下、海外子会社から受ける配当が適用対象となる(法法23条の2関係)。これまでの間接外国税額控除制度では、海外子会社の優先株式に対する優先配当は間接外国税額控除の適用対象外であったのに対し、新たな海外子会社配当益金不算入制度のもとでは、優先株式を除外するなどの制限等がなく、優先株式など種類株式による配当も対象に含まれることが分かった。


◆ 従前の間接外国税額控除では優先配当は除外


 これまでの間接外国税額控除制度では、一定の要件に該当する海外子会社からの配当等の額については国際的な二重課税を調整する意味から、海外子会社に課税された法人税は親会社に課された法人税とみなし、間接外国税額控除の対象とされていた(旧法法69G)。
 ただし、この配当等の額については「優先株式に対する優先配当の額を含まないものとする」(旧法令147A三)と除外規定があったことから、優先配当は間接外国税額控除の対象に含まれなかった。このため、間接外国税額控除制度が廃止され、新たに創設された海外子会社からの配当の益金不算入制度に対し、一部の実務担当者の間では優先配当をはじめとする種類株式に対する配当の取扱にについて関心を集めていた。


◆ 新制度は種類株式の配当についても対象に


 間接外国税額控除制度に代え、配当の5%分を益金算入、残り95%分を益金不算入とする海外子会社配当益金不算入制度では、間接外国勢額控除制度と同様に発行済株式の25%以上で、かつ6月以上保有を対象となる海外子会社を適用要件としている。また、税制改正で配当等の額から優先配当を除くと規定していた旧法令147条等が削除されており、このほかに優先株式などの種類株式(かいしゃ法108条@)に対する配当を制限する規定は設けられていない。
 もともと海外子会社の優先配当については利子のような意味合いもあり、二重課税の調整を行う間接外国控除制度の性格になじまないものとされていたようだが、追加経済対策の色彩が濃い21年度税制改正では海外子会社に出資する種類株式から受ける配当金についても非課税の範囲に含まれることとなった。


◆ 4月1日以後の開始事業年度の配当金に適用


 なお、海外子会社から受ける配当非課税の適用時期は、親会社が平成21年4月1日以後に開始する事業年度において海外子会社から受け取る剰余金の配当の額について適用となる(法法附則6条)。海外子会社からの配当金に関する明細書等の添付、保存が求められるので確認しておきたい。




(以上参考;週刊「税務通信」第3067号)
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