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M&Aニュース

                                               2009年7月22日
 



  財務諸表表示の論点整理を7月に公表
                

     
   ASBJ 「非継続事業」は国際的な議論が流動的

  
  
 日本公認会計士協会(JICPA)は6月12日、第17回財務諸表表示専門委員会を開催し、財務諸表の見直しに関する論点整理の検討を行った。論点整理は2部で構成され、第1部では、現行のIFRS等との差異に係る論点を取り上げる。「包括利益の表示」や「非継続事業の損益計算書での区分表示」などが中心論点だ。第2部では、IASBとFASBが公表したディスカッション・ペーパー(DP)「財務諸表の表示に関する予備的見解」に係る論点を盛り込む。


◆ 「廃止事業」は「非継続事業」に呼称変更


 今回の専門委員会では、第1部の審議が行われた。論点は下記の通りである。なお、従来、「Discontinued Operations」は「廃止事業」と訳されていたが、本論点整理においては、「非継続事業」と表記されることとなった。

【論点1】包括利益の表示
【論点2】非継続事業に関連する損益の損益計算書における区分表示
【論点3】売却目的保有の非流動資産の貸借対照表における区分表示
【論点4】損益の段階別表示
【論点5】損益項目の性質別開示
【論点6】貸借対照表における流動固定区分と表示科目
【論点7】その他


◆ 海外では非継続事業関連損益の区分表示が見直される可能性も


 論点2で取り扱われる「非継続事業」の区分表示の取扱いは、国際会計基準や米国会計基準ではすでに導入されている取扱いであるが、今後、この取扱いが見直される可能性も出てきている。2008年9月にIASBとFASBは、それぞれIFRS第5号及びSFAS第144号を改正する公開草案を公表した。公開草案は、現行の両者の基準に違いがある非継続事業の定義について、基準間のコンバージェンスを図ったもので、セグメント情報の会計基準に定めている事業セグメントをベースとする非継続事業の定義が提案されている。
 この点、米国会計基準では、従来の定義に比べ括りが広くなるため、従来は非継続事業として取り扱われていたものが、公開草案の定義では非継続事業として扱われないようなケースも出てくる。ただし、公開草案では、そうしたものも含めて注記で一定の情報を開示することが提案されている。
 IASB及びFASBは、基準の改正に向けた審議を共同で行っているが、公開草案のコメント締切り後に行われた今年4月の審議では、公開草案の提案を大きく見直す取扱いも検討されたようだ。検討された内容は、事業セグメント・ベースの非継続事業の損益を損益計算書本表では区分せず、必要な情報については注記情報として開示するというものである。IASB及びFASBの議論は、日本の方向性にも大きな影響を与えると考えられるため、今後の動向に注目したい。






(以上参考;週刊「経営財務」第2923号)
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