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M&Aニュース

                                               2009年8月13日
 



  
  財務諸表・企業結合見直しの論点整理公表
  
  

     ASBJ 9月7日まで意見募集
  
  

  企業会計基準委員会(ASBJ)は7月10日、「財務諸表の表示に関する論点の整理」及び「企業結合会計の見直しに関する論点の整理」を公表した。前者は財務諸表の見直しに向けた論点をまとめたもの。包括利益の表示など現行IFRS等との差異、さらには抜本的な見直しを進めているIASB/FASBのプロジェクトに関する論点をを取り上げている。後者は、EU同等性評価項目以外の差異解消を図る「企業結合(ステップ2)」に係るものである。主な論点は、少数株主持分の取扱い、のれんの会計処理などである。なお、両論点整理は、少数株主持分の取扱いに関し共通する論点があるため、同時に公表された。


◆ 包括利益の表示を検討


 財務諸表の見直しに関する論点整理は2部で構成され、第1部では、現行のIFRS等との差異に係る論点を取り上げている。「包括利益の表示」や「非継続事業関連損益の損益計算書での区分表示」などが中心論点だ。第2部では、今後の国際的な議論に対応するため、IASBとFASBが公表したディスカッション・ペーパー「財務諸表の表示に関する予備的見解」に係る論点を盛り込んでいる。主な論点は以下の通りである。
 @ 包括利益の表示:包括利益の表示を行うべきかどうか、表示する場合にはどの計算書に表示するか。
 A 非継続事業に関連する損益の損益計算書における区分表示:損益計算書上、非継続事業に関連する損益を区分して表示すべきかどうか、区分表示するとした場合の非継続事業の定義、具体的な表示方法及び内訳情報等の開示。

 B 売却目的保有の非流動資産の貸借対照表における区分表示:売却目的で保有する非流動資産を継続して使用する通常の資産と区分して貸借対照表に表示すべきかどうか。

 C 損益の段階別表示:損益計算書における損益の段階別表示に関して見直しを行うか。

 D 損益項目の性質別開示:損益計算書又は注記における損益項目の性質別開示について。IAS1号「財務諸表の表示」では、費用を機能別に分類している場合には、費用の性質に関する追加情報の開示を求めている。

 E 貸借対照表における流動固定区分と表示科目:IAS1号では、正常営業循環基準、1年基準、売買目的か否かの基準を用いて流動、固定の分類を行っている。


◆ 「少数株主持分」「のれんの会計処理」が主要論点


 ASBJは企業結合会計に関し、IFRS等とのコンバージェンス作業を2段階に分けて行っている。昨年12月の基準改正では、EU同等性評価項目を対象とした見直しを行った。現在は、それ以外の差異項目を対象とした検討を行っている。主な論点は、@少数株主持分の取扱い、A取得原価の算定、B取得原価の配分、Cのれんの会計処理、D子会社に対する支配の喪失、である、このうち、のれんの会計処理に関しては、IFRS等では償却しない取扱いである、論点整理では、改正の方向性は打ち出さず、償却・非償却の両案を示すにとどまっている。






(以上参考;週刊「経営財務」第2926号)
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