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M&Aニュース

                                               2009年8月25日
 



  
   子会社支援と寄附金課税 
  
    

   
  赤字に苦しむ子会社の整理・再生を検討する企業のなかには、債権放棄、損失負担、無利息貸付等といった形の子会社支援を行うケースもあるようだが、ここで気をつけたいのは、これらの支援費用は税務上「寄附金」課税の対象になることが多々あるという点だ。
 この点につき、親会社が子会社を支援するのは自然な行為であるにも関わらず、なぜその支援費用が寄附金になり得るのか、疑問に感じる向きもあるだろう。しかし、税務上は、仮に赤字子会社の解散等により親会社が子会社への債権を放棄する場合、「その債権は本当に回収不能なものなのか?債権放棄額は適正なのか?」などといった点が、また、赤字子会社の再建のために親会社が子会社に無利息貸付を行う場合には、「本当に無利息で貸付を行わねばならない状況なのか?」などといった点が重視される。つまり、子会社支援につき合理性や相当な理由がないと判断された場合には、その費用は損金とは認められず、子会社への寄附金と取り扱われるということだ。
 では、どのような場合に該当すれば、子会社支援費用を損金算入することが認められるかだが、この点は法人税基本通達に定められている。
 例えば、子会社の解散・営業譲渡等に伴い、親会社が債務引き受け・損失負担・債権放棄等をした場合の取り扱いを定めた「子会社等を整理する場合の損失負担等」(法基通9−4−1)では、それが今後より大きな損失の発生を回避するためのやむを得ないもので、かつ、社会通念上も妥当なものとして認められる事情があるならば、寄附金とは取り扱わないとしている。つまり、親会社が子会社に対する債権放棄を行ったとしても、その行為にやむを得ない事情等がないのであるならば、利益調整を防止する観点などからも、子会社への寄附金として課税問題が生じる。
 また、子会社再建のために親会社が低利又は無利息貸付等を行った場合の取り扱いを定めた「子会社等を再建する場合の無利息貸付け等」(法基通9−4−2)では、それが子会社等の倒産防止のためにやむを得ず行われるもので、合理的な再建計画に基づくもの等であるならば寄附金とは取り扱わないとしている。つまり、親会社から子会社への”つなぎ融資”を無利息等で行ったとしても、そこに合理性が認められないなら、寄附金課税の問題が生じるということだ。




(以上参考;週刊「税務通信」第3075号)
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