2009年8月27日
|
非上場株式等についての代表権を有していた
書類の提出が必要
相続税の納税猶予制度 平成22年2月1日まで申告期限を延長
平成21年度税制改正で創設された「非上場株式等についての相続税の納税猶予制度」(措法70条の7の2)については、今年の4月の税制改正の施行に伴い、平成20年10月1日から遡及適用する措置が講じられたところだ。このため、20年10月1日から21年3月31日までの特例期間における被相続人に係る相続税の申告期限は一定の要件を満たす場合、平成22年2月1日まで延長されることとなった(措法附則65条)。
ただし、同制度を適用しない場合でも、相続税の申告期限が延長されるケースでは代表権を有していたことを明らかにする書類を提出しなければならない点に留意されたい。
◆ 延長の要件は代表権を有したこと等
相続税の申告期限等に係る特例では、上記特例期間に開始した相続において@被相続人が直前に有していた財産の中に非上場会社の株式又は出資が含まれていることA当該非上場株式等に係る会社の代表権を有していたことの両方を要件としている(措法附則65条@)。
このうちAの代表権については、被相続人が過去に非上場株式等に係る会社の代表権としており、何らかの制限が加えられた代表権については除かれている。
◆ 贈与者が死亡したケースも対象に
また、特定事業用資産の特例(旧措法69条の5)と、特定同族株式等の贈与の特例である相続時精算課税(旧措法70条の3の3又は70条の3の4)の適用を受けていた場合、贈与者が同特例期間内に亡くなったときの扱いも同様だ。すなわち、非上場会社の特定受贈同族会社株式等や特定同族株式等の贈与においても、贈与者が特例期間に死亡した場合は相続税の申告期限が同様に平成22年2月1日までに延長される(措法附則65条A)。
今回の延長については21年4月1日に相続を開始した場合と同様の申告期限としており、申告者に同特例の適用を考える期間を与える措置としての意味合いもあるようだ。
◆ 登記事項証明書や法人の別表を提出
相続税の申告に当たっては、被相続人が会社の代表権を有していたことを明らかにする書類を提出しなければならない。相続税の申告期限が延長される場合は、非上場株式等についての相続税の納税猶予制度を適用しない通常の申告であっても、前出の代表権に関する書類の提出が必要となるので気をつけたい(措令附則43条M)。
具体的な書類については、登記事項証明書(写し)や過去において税務署に提出した法人税申告書別表一(一)の控え(写し)などで、代表権を有していたことが明らかになる書類であるならば、会社の議事録などのような書類でも問題ないということだ。
ただし、被相続人が直前に有していた財産の中に非上場株式等が含まれ、過去の特定受贈同族会社株式等や特定同族株式等を贈与していても、当該株式等に係る会社の代表権を有していなかったならば、相続税の申告期限については、通常どおり、相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヶ月の日となる。
(以上参考;週刊「税務通信」第3076号)
(このコンテンツの使用に関し(株)税務研究会の許諾を受けています。)
|
|
Copyright (C) 1999- M&A Intercross Co.,Ltd , All rights reserved.