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M&Aニュース

                                               2009年9月10日
 



  
  事業承継税制 非上場会社の株券発行が必要
     
  
 

   相続税・贈与税の申告期限までに担保提供


  平成21年度税制改正で創設された非上場株式等についての贈与税・相続税の納税猶予制度(措法70条の7、70条の7の2)では、申告書の提出期限までに納税猶予分の贈与税。相続税に相当する担保を提供した場合に限り、納税猶予する措置が講じられている。
 提供する担保については、会社法において株券不発行が原則の非上場株式等なので、株券の不発行会社が納税猶予制度を活用する場合は、経済産業大臣の認定を受け、株主総会の特別決議で株券発行の定款変更をするなど所要の発行手続きを進めることとなる。


◆ 非上場株式の場合は供託等


 贈与税の納税猶予制度(措法70条7)で経営承継受贈者が行う担保の提供について、非上場株式を担保として提供する場合は、農地の相続等と同様に供託した株券の供託書の正本を国税庁長官等に提出しなければならない。認定承継会社(持分会社に限る)についても出費の持分に質権を設定することを承諾した所定の書類を所轄税務署長に提供することとなる(措令40条の8B等)。
 また、相続税の納税猶予制度(措法70条の7の2)で、経営承継相続人が行う担保の提供方法も同様の扱いとなる(措令40条の8の2D等)。


◆ 会社法では原則株券不発行


 平成18年5月の会社法施行前、非上場会社では株券発行が原則だったが、施行後は旧株式会社の定款に株券を発行しない旨の定めがない場合は、新株式会社の定款は株券発行の旨の定めがあるものとみなされる(整備法76条C)。
 施行後の非上場会社の株券については原則不発行だが、非上場会社が定款で定める場合に株券発行が可能(会社法214条)、このため、株券を発行していない非上場会社は、株主総会の特別決議を経て定款を変更し、株券発行会社である旨を登記するなどして株券を発行する必要がある。贈与税の場合には、贈与前に株券発行を準備する必要があるが、相続税の場合には、経営承継相続人等が株券を発行する手続きを進めることとなろう。


◆ 全株式の提供でみなし規定


 そもそも国税の担保として提供できる株式は上場株式のみだが、(通法50条、通基通50−1)、非上場株式等の贈与税・相続税の納税猶予の担保では認定承継会社の株式等を提供できる(措法70条の7M等)。このため、当該非上場会社が認定承継会社として、経営承継円滑化法における経済産業大臣の認定を受けることが前提となるのは言うまでもない。
 また、担保の種類は非上場株式だけでなく、国際及び地方債、土地や建物など国税通則法50条等で規定されている担保でも可能だ。ただし、贈与税・相続税の納税猶予分について非上場株式等のすべてを担保として提供した場合は、非上場株式等の価額の合計額が納税猶予分の税額に満たないときでも、納税猶予分の税額に相当する担保が提供されたものとみなされる点に留意されたい(措法70条の7F等)。




(以上参考;週刊「税務通信」第3078号)
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