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M&Aニュース

                                               2009年10月02日
 



  
    企業再生とDES
           
     
  
 

 
             

  世界的に激震が走った”リーマンショック”から1年が過ぎたが、国内では景気悪化の傷跡が癒えていない。債務超過に陥った企業に対し、金融機関等の債権者の支援の下、DES(デット・エクイティ・スワップ)に踏み切る再生事案は少ないないだろう。
 DESとは、Debt(借金)をEquity(株式)にSwap(交換)するの略で、日本語では「債務の株式化」という。資金の貸して側は、債権放棄と異なり、債権を株式に振り換える。業績回復により株式価値が上昇すれば投資リターンが期待できるというメリットがある。一方借り手側は、本来返済すべき借入金が資本金に替わるので、財務内容が大きく改善する。最近は企業再生に関わる場面で活用され、報道でも聞き慣れた言葉となってきた。
 さて平成21年怒税制改正では、企業再生税制の適用要件の範囲にDESが追加された。具体的には、民事再生に準じる私的整理の事実の要件のうち、自己宛債権の現物出資(借入金を株式に交換)を受ける場合も、債務免除と同様に扱われることとなった(法令24の2@等)。
 ここで留意したいのは、DESが債務免除要件となるのは、現物出資(適格現物出資を除く)を受ける債務者側の法人にとって、債務消滅益の発生が見込まれる場合に限られるということだ。一般的にDESを行う企業では、金融機関や親会社、子会社、オーナー企業に対して活用する場面が目立つ。基本的に債務者側の企業価値が毀損しているので、債務の簿価と時価の差額である債務消滅益が生じるケースが大半と思われる。
 平成18年5月の新会社法制定で、増加する資本金の額は払込みの額によるとされたため、現物出資の場合は時価相当の資本増加があることになった。これを受け18年度税制改正では、DESを行う際、財産の簿価と時価との差額を債務消滅益として課税対象とする一方、期限切れ欠損金との相殺を認め、債権者側では譲渡損の損金算入を認める等の整理が行われている。





(以上参考;週刊「税務通信」第3081号)
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