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                                               2009年10月21日
 



  
東京国税局 納税者からの照会に対し文書回答
           
 

 清算中の会社株式も相続税申告期限延長特例の対象に




 東京国税局は9月29日、納税者からの照会に対し文書回答を行い、相続税の申告期限延長特例の適用にあたり、遺産の保有要件とされている非上場株式に、解散している非上場会社の株式も含まれる点を明らかにした。これは、会社法上において、会社が解散している場合であっても清算結了時まで会社は存続しているものとみなされるためだ。
 相続税の申告期限延長の特例は、一定の要件を満たせば納税猶予制度の有無に関係なく、一律に適用される制度であるため、実務上関心が高い。そのため、この文書回答は注目の内容といえよう(東京国税局 平成21年9月29日回答「解散した会社(清算中の会社)の代表者であった者がその会社の株式を有している場合におけるその者の相続に係る相続税の申告期限の延長について」)。


◆ 実務上関心の高い申告期限の延長特例


 平成20年10月1日から平成21年3月31日までの間に開始した相続で、その遺産の中に被相続人が代表権を有していた非上場株式が含まれている場合、又は、相続人に過去に贈与で取得した特定受贈同族会社株式等があり被相続人が過去に代表権を有していた場合には、その被相続人の相続税の申告期限は平成22年2月1日まで(又は、相続があったことを知った日の翌日から10ヶ月を経過する日のいずれか遅い日)自動的に延長される(平成21年改正法附則65@)。
 申告期限の延長特例は、事前に届出等を提出する必要はなく上記の要件を満たすとともに、申告時において被相続人が代表権を有していたこと等を明らかにする書類を提出すれば適用されるため、実務上関心が高く問い合わせも非常に多いようだ。


◆ 清算中の会社株式も通常株式と同様の扱いに


 今回の照会事例は、平成20年12月21日に死亡した被相続人の遺産に、平成17年9月5日に解散した非上場会社A社(清算結了していない)の株式が含まれており、かつ、その被相続人はA社が解散する時点までA社の代表取締役(死亡時は代表清算人)であったが、この場合も相続税の申告期限延長特例の適用要件を受けられるのか、というものだ。
 相続の時点で、A社は解散していることからすると、A社株式が非上場株式として扱われるのか疑義がもたれるところだが、この点、会社法上では、清算結了時まで会社は存続しているとみなされるため、法人格が消滅していない以上その株式も消滅していないこととなる。
 つまり、A社株式は、申告期限延長特例の適用要件で規定する”非上場株式”に該当することから、申告期限は平成22年2月1日まで延長される点が確認された。



(以上参考;週刊「税務通信」第3087号)
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