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M&Aニュース

                                               2009年11月11日
 




 配当等の基準日については約款等により実質判断

           
 

  LLCの利益の分配は外国子会社配当益金不算入制度の対象




 平成21年度の税制改正では、外国子会社配当益金不算入制度の創設とあわせてタックスヘイブン対策税制も見直されている。
 そこで、気になるのは日本の法人税法上、法人として取り扱われているLLCとの関係だ。


◆ LLC(Limited Liability Company)は日本の法人税法上は、法人であり課税主体として取り扱われることとなるが、例えばアメリカに所在するLLCが構成員課税を選択している場合、そのLLCが稼得した所得は、LLCの構成員の出資比率に応じて構成員に分配され、出資者が課税を受けることとなり、そのLLC自身は稼得した所得について課税を受けることはない。
 すると、そのLLCが稼得した所得に対する税負担割合はゼロということとなり、日本の内国法人がそのLLCに出資をしている構成員である場合は、そのLLCはタックスヘイブン対策税制の適用対象となる特定外国子会社等に該当することとなる。
 これまでは、そのLLCが、稼得した所得を出資した比率に応じて構成員に分配しているのであれば、留保している所得はないことから、課税問題は生じてこなかったようだ。
 それが21年改正により、これまでタックスヘイブン対策税制を適用する上で、課税対象から控除されていた特定外国子会社等が支払う剰余金の配当等の額が控除されないこととされた。
 よって、LLCに出資を行っている内国法人は、LLCが構成員に稼得した所得を分配するしないにかかわらず、そのLLCが稼得した所得を出資比率に応じて合算することとなるわけだが、LLCから構成員への所得の分配は、持分会社(合名会社、合資会社及び合同会社)の利益の配当であるから、外国子会社配当益金不算入制度の対象となる。


◆ 配当等の基準日をどうみるか


 ところで、LLCに出資をしている内国法人にとって、LLCにおける配当等の基準日をどのように判断するのかということは、外国子会社hじゃいと宇益金不算入制度の経過措置の適用の上からも、悩ましい問題のようだ。
 これは、LLCからの利益の配当が、外国子会社配当益金不算入制度の対象となることから、その利益の配当の帰属する事業年度が問題になるケースもあるからだ。
 これについては、例えば、そのLLCの最終事業年度末に確定するという考え方や、LLCの構成員が実際に利益の配当を受け取る時とする考え方があるようだ。
 実際には、そのLLCにおいて定められている、覚書や約款により実質的に判断されることとなろうが、日本において多くの法人が株主総会の決議を経て配当が確定していることを鑑みれば、法人として扱われるLLCについても、その最終事業年度末において収益を認識しているとして、事業年度末を配当等の基準日にすることも考えられる。




(以上参考;週刊「税務通信」第3089号)
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