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M&Aニュース

                                               2009年11月18日
 




    返済猶予法案、企業の1割が申請検討

           
 

TDB調査 19.3%が年末の資金繰り懸念




 政府が閣議決定した「中小企業金融円滑化法案(仮称)」(以下、返済猶予法案)が成立した場合、企業の1割が申請を「検討する」ことが、(株)帝国データバンク(TDB)の調査で分かった。規模が小さい企業ほど申請に前向き。「借り換えが非常に難しい状況にある」ことや、「返済猶予によって新規貸し出しに影響が出る」ことなどが理由だ。また、6割が2009年度の売り上げ見通しを「下方修正(見込み)」、2割が2009年末の資金繰りに「懸念がある」としており、厳しい経営環境が窺える。


◆ 返済猶予法案に「賛成」25.5%、「反対」38.3%


 政府は、中小企業向け融資の返済猶予などを柱とする「返済猶予法案」を10月30日に閣議決定し、臨時国会での成立を目指している、TDBでは本年10月21日〜31日、同法案に関する調査を実施。対象は全国2万1,491社で、有効回答企業数は1万742社(回答率50.0%)。
 返済猶予法案の賛否に対する回答は「表1」の通り。企業規模が小さいほど賛成が多い。

     【表1:返済猶予法案に賛成か?】

賛成 反対 分からない
全体 25.5% 38.3% 36.2%
大企業 20.8% 38.2% 41.0%
中小企業 27.0% 38.4% 34.6%
小規模企業 31.4% 35.8% 32.8%

「リスケジューリングの制度的保証であり、銀行にとっても損ではない」と賛成する声がある一方、「前向きな資金を必要とする企業への融資資金が硬直化する」など、本来必要とする新規融資が阻害される懸念も聞かれた。


◆ 返済猶予の申請を検討する大企業は5.4%


 法案が成立した場合に返済猶予申請を検討するかどうかについては、「表2」の通り。

     【表2:返済猶予の申請を検討するか?】

検討する 検討しない 分からない
全体 11.1% 65.3% 23.6%
大企業 5.4% 70.4% 24.2%
中小企業 13.0% 63.6% 23.4%
小規模企業 17.0% 57.4% 25.6%


 「検討する」理由としては、「借り換えが非常に難しい」等のほか、「法案成立によって新規貸し出しに影響が出る」、「返済猶予によって起きる貸し渋り対策のために、返済猶予を申請する」等の法案成立後の事態を想定した声もあった。


◆ 2009年度、6割が期初計画を下方修正見込み


 2009年度の売り上げ見通し(実績含む)については、57.9%の企業が「下方修正(見込み)」と答えた。「上方修正(見込み)」は8.2%にとどまる。「下方修正(見込み)」とした企業を業界別にみると、『運輸・倉庫』が62.0%で最多、次いで『卸売』(60.7%)や『製造』(58.3%)が続く。一方、『金融』は31.8%で最も少ない。
 2009年末にかけて資金繰りに懸念があるかどうかについては、19.3%が「ある」と回答、「ない」は65.3%だった。資金繰り懸念が「ある」企業を規模別にみると、『大企業』が12.8%、『中小企業』は21.5%、『小規模企業』は同27.9%。業界別では、『建設』が26.3%で最も高く、次いで『小売』(23.5%)、『不動産』22.8%、『サービス』(20.7%)と続く。




(以上参考;週刊「経営財務」第2942号)
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