運営人:潟Gムアンドエーインタークロス
後援:税務研究会

M&Aニュース

                                               2009年12月09日
 




  輸送用・電気機器、卸売などで持合い解消進む

           
    大和総研調査 株式の持合い比率が低下

  
 

 上場企業(東証、大証、名証、ジャスダック、マザーズ、ヘラクレス)の株式持合い比率が低下したことが、大和総研の調査※で明らかになった。07年度と08年度を比較すると金額ベースで9.0%から8.2%に低下している。金融危機の影響で株価が急落したことを受け、企業が株式の保有リスクを改めて認識。持合いの解消に動いたようだ。業種別に見ると、特に、輸送用機器、電気機器、卸売などで解消が多い。ただし、新規の持合い形成が皆無だったわけではなく、例えば電気機器では82件・452億円の新規形成を行っている。なお、金融庁が持合い状況の開示について制度化を検討している他、IFRSでは持合い株の売却によつ純利益の計上(いわゆる益出し)ができないため、今後、更に解消が進む可能性もある。

※大和総研「解消に向かうのか、日本企業の株式持合い」(2009年11月18日付レポート)


◆ 持合いの解消、新規形成を大きく上回る

 株式の持合いについては、1990年代以降、時価会計の導入を機に減少傾向にあったが、買収リスクの高まりとともに、近年、再び増加傾向にあった。事業会社同士の持合いを金額ベースで見ると、01年度の1.57%が、07年度には3.21%まで上昇している。
 これが08年度では、2.95%に低下。持合いの解消(1,294件、1兆555億円)が新規形成(754件、4,518億円)を大きく上回った。業種別に見ると、石油・石炭製品、電気機器、小売業などで「新規形成」が多く、輸送用機器、電気機器、卸売業などで「解消」が多い。
 なお、業種別対業種別で「解消」を見ると、輸送機器同士の持合い(42件、900億円)が注目される。トヨタ自動車のフタバ産業株(193億円)保有が確認できなくなった影響が大きいが、ホンダとタカタ、スズキとNOKやデンソーなどの持合いも確認できなくなっている。


◆ 持合いの状況の開示やIFRS導入で解消進む?


 持合いについては@持合い状況の開示とAIFRS導入が、今後、更に解消を進める要因となるかもしれない。
 @については、金融庁・金融審議会が6月に公表した報告書が、持合い状況の開示の制度化を提言。現在、金融庁で検討が行われている。
 Aについては、11月12日にIFRS第9号「金融商品」が公表されている。同9号では、持合い株の評価差額を「純損益」か「その他包括利益(OCI)に反映することを選択する。日本企業の多くはOCIを選択することが予想されるが、この場合、持合い株の売却による純利益の計上(いわゆる益出し)はできない。





(以上参考;週刊「経営財務」第2944号)
       (このコンテンツの使用に関し(株)税務研究会の許諾を受けています。)






Copyright (C) 1999- M&A Intercross Co.,Ltd , All rights reserved.
omo