2009年12月30日
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特定受贈株等ある場合は22年3月31日までに届出書
国税庁 非上場株式の相続税の納税猶予特例と申告期限延長特例でQ&A
国税庁は12月1日、非上場株式の相続税納税猶予の特例制度について、「相続税申告期限の延長に関するQ&A(2)」と「非上場株式等についての相続税・贈与税の納税猶予に関するQ&A」を公表した。
申告期限の延長特例については、会社が清算中の場合にも延長特例の対象になるか、先日、東京国税局で文書回答のあった事例について、より周知を図るたまに取り上げているほか、医療法人の出資は申告期限の延長特例の対象にならないことも念のため示している。
納税猶予制度のQ&Aは、「Q2 贈与税の納税猶予の特例と相続税の納税猶予の特例の適用関係」や、照会が多数あったという「Q5 贈与税の納税猶予の特例の適用を受けない場合の相続時精算課税の運用関係」、通達でも注意喚起している「Q8 特定受贈同族会社株式等がある場合(2)」などの11問。
特定受贈株がある場合には、納税猶予の適用を考慮し所定の届出書を提出しておく必要があるが、この期限が22念3月31日であることから、注意を呼びかける目的でQ8が設けられた。納税猶予の制度上、とくに重要なポイントとなっている事項がQ&Aで紹介されているので留意しておきたい。
◆ 納税猶予制度のポイントをQ&Aで紹介
「Q2 贈与税の納税猶予の特例と相続税の納税猶予の特例の適用関係」では、子が贈与税の納税猶予特例の適用を受け、その後に贈与者である父が死亡、相続税申告で贈与者が死亡した場合の相続税の納税猶予の特例の適用を受ける場合、子が相続税の納税猶予の特例の適用を受ける場合、子が相続で取得した同じ会社の株式については、相続税の納税猶予の特例を受けることができないことを説明している。
「Q5 贈与税の納税猶予の特例の適用を受けない場合の相続時精算課税の適用関係」では、贈与税の納税猶予の特例と相続時精算課税の適用関係について、贈与税の納税猶予の特例の適用を受けるものとして選択した株式等と、贈与税の納税猶予の特例の適用を受けないこととして選択しなかった同じ会社の株式等がある場合、特例の適用を受けないこととして選択しなかった株式等については、相続時精算課税を適用できることを紹介している。
◆ 特定受贈株式ある場合の届出書提出期限で注意喚起
「Q8 特定受贈同族会社株式等がある場合(2)」は、過去に贈与で取得した株式等について、21年度改正前の特定事業用資産の特例を受けている場合、将来、相続税の納税猶予特例の適用を受ける可能性が考えられるのであれば、届出書を22年3月31日までに提出しなければならない点について、あらためて注意喚起するために設けられたQ&Aだ。
『特定受贈同族会社株式等・特定同族株式等についての相続税の納税猶予の適用に関する届出書』を平成22年3月31日までに提出していなかった場合には、贈与により取得した特定受贈同族会社株式等と、相続により取得した株式の両方とも、相続税の納税猶予の特例の適用を受けることができなくなる。
この留意点は通達にも設けられているもので(措通69の5−20・21)、届出書を提出しておかないと、受贈株式だけでなく、相続株式も猶予特例の対象とならず、さらに、提出期限を過ぎてしまった場合についての宥恕規定もない。したがって猶予特例を受ける予定がある場合だけでなく、分からない場合にも、提出はしておく必要があるということだ。
今年の1〜3月に相続税の納税猶予の対象になる株式の贈与があった場合、21年分贈与税の申告では、この届出書も提出することになる(贈与税の申告期限は3月15日)。
(以上参考;週刊「税務通信」第3094号)
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