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M&Aニュース

                                               2010年01月12日
 




100%子会社の中小特例の制限は
       親会社資本金5億円以上となる方向

           
     平成22年度税制改正 グループ法人税制の動向


  
 平成22年度税制改正の目玉の一つとされているグループ法人税制。資本金の金額など法人の規模に関係なく100%資本関係のあるグループ企業が対象となるため、施行日や内容などその動向に注目が集まっているところだ。
 グループ法人税制が予定どおり大綱に織り込まれ、そのまま法案が成立した場合には、平成22年4月1日以後開始事業年度から施行されることとなるが、100%グループ内取引に対する譲渡取引の課税繰延べ制度については、システムの変更など準備期間を要するため、施行日がずれる可能性が高いことが明らかとなった。
 また、大規模法人の100%子法人への中小特例の適用制限については、これまで対象範囲を”資本金1億円超の親法人の100%子法人”とする方向で議論が行われてきたところだが、中小企業団体等を交えた調整等の結果、会社法上の内部統制が強制される”資本金5億円以上の親法人の100%子法人”に範囲が限定される見通しであることも明らかになっている。
 ただし、税制改正大綱が取りまとめられるまで確定的なことは言えず、状況によっては一部変更されて大綱に織り込まれる可能性も考えられるため、今後の動向に注視したいところだ。


◆ 平成22年4月1日開始事業年度からの施行に


 何度かお伝えしているが、グループ法人税制では、100%資本関係のある法人をひとつのグループととらえ、グループ内で資産の譲渡取引を行った場合にその譲渡損益や課税を繰り延べる制度の導入や、大規模親法人の100%子法人については中小特例の適用を認めないこととするなど、影響の大きい重要な改正事項が織り込まれている。
 このグループ税制が、いつから施行されるのか実務では注目されているところだが、本誌が取材を行ったところによると、グループ税制そのものは平成22年4月1日以後開始事業年度から導入される見通しであるが、資産の譲渡損益の課税を繰り延べる制度については、施行日を半年程遅らせる可能性が高いことが明らかとなった。
 これは、平成22年4月1日以後開始事業年度において行われた全てのグループ内譲渡取引を対象とすると、法案の成立直後に行われた取引から課税を繰り延べるための処理を行わなければならず、事実上、システム対応が間に合わないものと考えられるためのようだ。


◆ 中小特例の制限は資本金5億円以上の親法人の子会社が対象に


 他方、大規模法人の100%子法人の中小特例(法人税の軽減税率、留保金課税の不適用、交際費の損金不算入の特例、貸倒引当金の法定繰入率、欠損金の繰戻し還付の停止措置の不適用)の適用制限については、これまで、制限対象の範囲を”資本金1億円超の親法人の100%子法人”とする方向で議論されてきた。
 ところが、資本金1億円超の全ての親法人が、グループを意識して経営を行っているとは必ずしも言い切れない一方、内部統制を行っている法人の場合はグループ全体で経営活動を行っているといえるとの理由から、グループ税制上の中小特例の適用制限については、会社法上で内部統制が義務付けられている”資本金5億円以上の大法人の100%子法人のみ”に限定する方向であることが明らかとなった。
 つまり、資本金が1億円超5億円未満の親法人の100%子法人については、従前どおり中小特例の適用が可能となる見通しとなっている。




(以上参考;週刊「税務通信」第3095号)
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