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M&Aニュース

                                               2010年02月01日
 




        トリガー税率

 
     

 
  

 内国法人により、発行済み株式の50%以上を保有されている外国関係会社の所得に対する租税負担割合が25%以下である場合、特定外国子会社等に該当し、その発行済み株式を5%以上(平成22年度税制改正で、10%以上に引き上げられる予定)保有している内国法人の所得に、保有割合に応じた特定外国子会社等の所得を合算して課税される外国子会社合算税制(タックスヘイブン対策税制)の適用対策となる。25%以下ということを引き金に適用対象となるため、これをトリガー税率という。
 一口に租税負担割合が25%以下と言っても、厳密には、所在地国の法令に基づいて「外国法人税額÷(課税所得金額+非課税所得金額)」で算出した、その法人の所得金額に占める外国法人税額の割合が25%以下の割合に適用対象となるということだ。この25%判定は事業年度ごとに行うため、たとえその国の法人税率が25%を超えていても、その年の非課税所得金額によっては適用対象とされることもある。
 というのも、非課税所得が大きくなれば、その分、所得全体の金額が大きくなり、税額の占める割合が小さくなるからだ。例えば、その国の法人税率が26%で課税所得が1,000万円、非課税所得が50万円とすると、所得金額1,050万円のうち、260万円が外国法人税額となり、所得金額のうち租税負担割合は24.7%(少数点第2位以下切り捨て)となるため、同制度の適用対象となる。実際に、アメリカやイギリス等の法人税率は25%を超えているが、非課税所得の金額が大きくなり、所得に占める外国法人税額が25%以下を割り込んで、同制度の適用対象に該当してしまうことがある。
 もっとも、タックスヘイブン対象税制は、タックスヘイブンにペーパーカンパニーを置き、そこに利益を留保して国内での課税を免れようとする租税回避行為を規制するためのものである。そのため、特定外国子会社等に該当して適用対象となっても、実質的な事業活動があること等の適用除外要件のすべてを満たせば同制度が適用されることはない。
 なお、このトリガー税率は、近年、諸外国で次々と法人税率が引き下げられており、現行の率では、適用対象となる企業が多く出てきてしまうため、平成22年度税制改正により、現行の25%以下から20%以下に引き下げられる予定だ。





(以上参考;週刊「税務通信第3097号)
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