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M&Aニュース

                                               2010年03月26日
 




  法的整理の事実に係る金銭債権の評価損の扱い等
  を再確認 
 
       
     

  21年度法基通改正に係る留意事項

 
  

 先般公表の平成21年度法令改正等に係る法人税基本通達では、法的整理の事実に対する金銭債権の評価額は、損金算入されずに貸倒引当金繰入額として扱うこととされ、また複数の合併等が行われる際の特定資本関係が生じた日の取扱いが廃止された。
 今決算の申告に向けた準備がはじまる中、この2点に対する改正法人税基本通達の留意事項を改て確認した。


◆ 評価額とした経理処理も貸倒引当金繰入額の損金経理とみなされる


 企業再生税制に関する取扱いでは、物損等の事実や法的整理の事実が生じた場合において、金銭債権は評価換えの対象とならないことを留意的に示し、金銭債権の帳簿価額を減額した場合、減額相当額は貸倒引当金の繰入額として扱うとしている(法基通9−1−3の2)。
 このうち、法的整理の事実が生じた場合、棚卸資産や固定資産などの資産と一緒に、金銭債権も帳簿価額を時価まで減額するのが一般的のようだが、この際、他の資産と一緒に減額処理を行うことになるため、金銭債権も”○○○評価損”として経理処理することもあるようだ。
 税務上、貸倒引当金の損金算入(法法52条)では損金経理が要件となっているが、この”貸倒引当金の繰入額”とする取扱いは、○○○評価損のように他の科目で経理処理したとしても、貸倒引当金の繰入額に含まれるようだ。このため、法的整理の事実が生じた場合、税務上の評価替えの対象外の金銭債権を評価替えした際は、直接損金算入せずに、貸倒引当金繰入額の対象になることを留意するだけでよいこととなる。
 また、貸倒引当金の損金算入規定では、翌事業年度の期首に洗い替えを行うが(法法52条H)、物損等の事実や法的整理の事実による、貸倒引当金の繰入額相当額も他の繰入額と同様、例外なく洗い替えの対象となるとのことだ。


◆ 通達廃止前の複数合併等に係る特定資本関係の日は個々の事情で判断


 繰越控除制度に係る欠損金等の引継ぎ等で制限の要件となっている特定資本関係について、従前2以上の特定資本関係法人と適格合併等を行った場合、特定資本関係が生じた日は、各法人との間に特定資本関係が生じた日の最も遅い日としていたが、(旧法基通12−1−5、12の2−2−5)、今回の通達改正では、特定資本関係の生じた日は、個々の合併等でみていくことになった。
 ただ、今回の特定資本関係の取扱いの改正は、平成21年度改正に直接関係したものではない。このため、通達改正公表時期より前に、2以上の特定資本関係法人等との合併等が生じた場合、各合併等での状況によって、改正前の取扱いとなるのかが個別に判断されるこtになる。このため、2以上の特定資本関係法人との適格合併等のすべてについて、改正前の取扱いが適用されるわけではないようだ。





(以上参考;週刊「税務通信」第3105号)
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