運営人:潟Gムアンドエーインタークロス
後援:税務研究会

M&Aニュース

                                               2010年03月29日
 




  連結子法人の繰越欠損金の持込み制限緩和で続報
”制約のある繰越欠損金”から順次控除へ 
 
       
     

  22年4月導入予定の日本版SRLYルール

 
  

 連結納税制度の導入の際の最大のネックと言われている、子法人の繰越欠損金の持込み制限。この制限が平成22年度税制改正で一部緩和され、時価評価制度の対象外となる連結子法人の連結開始又は加入前の事業年度において生じた繰越欠損金については、その子法人の個別所得金額を限度として繰越控除ができる予定となっている。
 そこで確認しておきたいのが繰越欠損金の使用の順序。@最も古い連結事業年度において生じた繰越欠損金、A同一の連結事業年度において連結親法人と連結子法人の欠損金額がある場合には連結子法人の連結欠損金額、といわゆる制約がある繰越欠損金から順次使用していくことが明らかとなった。


◆ 時価評価課税対象外の「特定連結子法人」が対象


 現行の連結納税制度では、連結開始日又は加入日前に生じた連結子法人の繰越欠損金は、連結所得から控除することができず全て切り捨てることとされている。これは、連結子法人の繰越欠損金を自由に使用することができることとなると、赤字の法人を連結子法人として加入させることにひょり租税負担を軽減あせる租税回避行為が懸念されたためだ。
 しかし、この連結子法人の繰越欠損金の切り捨てが、連結納税制度の導入をためらわせる一因となっており、経済団体等からは繰越欠損金の持込み制限の緩和が要望されてきた。
 そこで平成22年度税制改正では、租税回避のおそれがない連結子法人、つまり”連結時価評価制度の対象外となる法人”の連結納税開始日又は加入時前に生じた欠損金について、その子法人の個別所得金額を限度として使用することとなった。
 ちなみに、連結時価評価制度の対象外となる法人とは、主に@長期(5年超)100%子会社、A自ら設立した100%株式保有関係がある会社、B連結株式交換により完全子会社となった会社だ(法法81の9A一、61の11・12)。


◆ 繰越欠損金は”古いもの・子法人の欠損金”から順次控除へ


 連結子法人の繰越欠損金の持込みが可能となった場合、欠損金の繰越控除の順序を確認する必要があるだろう。
 この点、連結事業年度開始の日前7年以内に生じた連結欠損金額は、”制約のある繰越欠損金額”から順次控除していくこととなることが明らかとなった。具体的には、(a)最も古い事業年度において生じた繰越欠損金であるXー7年の子法人A・Bの各繰越欠損金を子法人A・Bの各所得金額から控除し、続いてAXー2年の子法人Aの繰越欠損金を子法人Aの所得から控除、BXー2年の親法人の繰越欠損金を各連結法人の個別帰属額に按分して各所得金額から控除する、という仕組みとなるようだ。
 なお、親法人の繰越欠損金額を含めた連結欠損金額のうち、繰越控除の対象から除かれる”限度超過額”の計算については政令に委任されており複雑な仕組みとなるようだ(法法81の9E)。






(以上参考;週刊「税務通信」第3106号)
       (このコンテンツの使用に関し(株)税務研究会の許諾を受けています。)






Copyright (C) 1999- M&A Intercross Co.,Ltd , All rights reserved.
omo