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M&Aニュース

                                               2010年04月05日
 




 グループ法人税制と地方法人二税
  
 
       
     

  

  法人住民税の法人税割は法人税額を課税標準としているため、法人税法で行われた改正が自動的に反映されることになる。また、法人事業税の課税標準である所得は、法人税の所得の計算の例によって算定するとされているため、法人税での所得計算について改正が行われると、やはりその改正事項の影響を受ける。
 法人税法の改正がある場合、地方税法で法人税と同趣旨の規定があればそれが同じように改正され、地方税で法人税と異なる取扱いがあれば、それも必要に応じて改正の対象になってくる。
 既報のとおり、このたびの平成22年度税制改正では、法人税法の改正によって、完全支配関係がある法人の間の取引に係る税制(グループ法人税制)と資本に関係する取引等に係る税制の整備が行われるが、これらの改正事項も地方税に自動的に影響することとなる。
 税制改正大綱には、地方法人税は単体法人を納税単位としていることを踏まえたうえで、所要の措置を講じるとあったため、グループ法人税制等に伴って、法人住民税や事業税の取扱いや実務に何か影響があるかが注目されていたところだ。

 今回の地方税法の改正で行われる所要の措置とは、法人税に準拠する法人住民税・事業税についても改正後の法人税と同じ取扱いとなるように規定を整備するものであり、法人住民税や法人事業税の方に法人税と異なる取扱いがおかれたり、地方税申告等の実務で、国税と異なる特段の手続きが生じるようなことになるものではない。
 地方法人課税については、繰戻還付措置がないなど、従前から法人税と異なる点はあるが、法人住民税は法人税法で計算された法人税額で算出することに変わりはなく、清算所得課税の廃止についても、法人税と平仄を合わせる規定の整備が行われるだけだということになる。
 法人の道府県民税の申告納付について規定する地方税法53条では、第5項の清算予納・確定申告義務の規定を解除、合併類似適格分類型分割の廃止に対応して9・13項が削除されるなどする。
 法人事業税についても同様で、法人税に合わせるため清算所得割が廃止され、清算中の法人には付加価値額と所得に対する課税が行われること、みなし事業年度についても法人税の改正に合わせて整備するなど、法人税の改正内容をそのまま受け入れる改正が行われる。
 清算所得税の廃止で、72条の5の2、72条の24の9、72条の30・31などがまるまる削除されるほか、清算中法人やみなし事業年度に関する条項で規定が整備される。
 したがって、企業再編税制の導入時に、地方税で欠損金の繰戻し還付を遮断していることに伴う改正が行われたり、連結税制度では単体納税を維持するための改正などがあったが、今改正では、地方法人二税独自の見直しは行われないということだ。






(以上参考;週刊「税務通信」第3107号)
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