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M&Aニュース

                                               2010年04月08日
 




    関連当事者取引の開示は不十分
       
     

  

             CFA協 日本企業への投資に特有のリスク
 

 

 CFA資格の認定機関であるCFA協会はこのほど、「関連当事者取引と少数株主の保護」と題する報告書を公表した。報告書は日本企業の事例分析をもとに、我が国での関連当事者取引のあり方や内容を不十分と指摘。「海外からの投資を呼びこむために少数株主の利益への配慮」を求めている。
 「米政府や機関投資家に対する影響力を持つ」とされるCFA協は、証券分析・運用アドバイスなどで認定資格をい付与する機関。世界に約9万人の資格保有者を抱える。今回の報告書で、機関投資家などに「日本企業への投資について、関連当事者取引に関する特有のリスクへの注意」を促した。


◆ 関連当事者取引の開示


 関連当事者との取引について我が国では、2006年10月に企業会計基準委員会(ASBJ)が企業会計基準第11号「関連当事者の開示に関する会計基準」及び適用指針を公表、2008年からの適用で開示されている。
 同基準の設定までには「一般にみることができない条件で行われる関連当事者との取引内容を財務諸表の利用者・投資家が理解できるようにする」や、会計基準のコンバージェンスの中で米国など海外の会計基準と水準をあわせるなどの経緯があった。
 設定された新基準では、従来の開示規定から関連当事者の範囲を変更し開示対象を拡大するなど、主に次の変更があった。
  • 連結子会社と関連当事者との取引が開示対象に
  • 一般的な取引条件で行われた旨を記載する場合に一定の条件が設けられた
  • 貸倒引当金繰入額等が開示対象に
  • 法人グループの特別損益項目と個人グループの重要性の判断基準が1百万円から10百万円に緩和
  • 関連当事者の存在に関する開示が開示項目に
 

◆ 指摘された課題


 報告書は、会計基準第11号が適用された2008年以降の上場企業の開示例をもとに分析したものだが、「まだ閉鎖的なところがある」とみているようだ。
 課題としてあげたのは次の点。
  • 重要な関連当事者取引に対する株主の承認
  • 開示機会の増加
  • 開示内容の充実化
  • 親子上場の削減
 それぞれについて、「重要な関連当事者取引のいくつかは取締役会の判断のみで決定。著しく有利な価格での私募による新株発行や、政党な理由のない新株発行については株主の承認が必要」や「関連当事者取引の開示が、基本的には年に1回のみ。より、頻繁な開示を望む」などと記述している。




(以上参考;週刊「経営財務」第2960号)
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