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M&Aニュース

                                               2010年04月12日
 




    法人事業税 益金算入部分の源泉税5%相当額は
   損金不算入
       
     

  

   外国子会社配当の益金不算入制度と法人事業税の計算
 

 

 外国子会社配当の益金不算入制度の創設で、外国子会社配当に係る源泉徴収税等は損金不算入とされたが、地方税については、法人事業税の外国税額の損金算入に係る規定(地方税法施行令21条の5)に見直しがなかったことから損金算入できるとの見方があったところだ。
 しかし、源泉徴収税の元である配当が益金不算入とされたのであるから、法人事業税においても源泉徴収税は損金不算入となる。ただ、このたびの益金不算入制度では5%が益金算入となるため、これに対応する源泉徴収税の5%相当額については損金算入できるのではないかとする疑義が生じることとなった。
 この点については、法人税が同法39条の2を設け、外国源泉税等を損金不算入とするなどした益金不算入制度の趣旨や、法人税の計算の例にならうとする法人事業税の仕組みからも、法人事業税でも損金不算入と解釈されることになる。


◆ 配当金不算入で外国源泉税の損金不算入規定を創設


 平成21年度税制改正では、外国子会社配当の益金不算入制度が導入され(法人税法23条の2)、間接外国税額控除と(旧69条GH)、法人税額から控除する外国子会社の外国税額の益金不算入制度が廃止された(旧28条)。
 地方税では、法人住民税(法人税割)について、法人税法と同様に間接外国税額控除制度を廃止する改正が行われている。
 しかし、法人税法で、外国子会社配当の益金不算入の規定(23条の2)とあわせ、39条の2「外国子会社から受ける配当等に係る外国源泉税等の損金不算入」が新たに設けられたが、地方税法施行令21条の5「所得に係る法人の外国税額の損金の額等算入」の規定についての改正は行われていない。


◆ 益金不算入制度と法人事業税の関係


 こうしたことから、外国子会社からの配当は、国税に準拠する法人事業税の所得の計算上においても益金不算入と整理されることとなるが、配当に係る源泉徴収税は、地方税法施行令21上の5の規定からは、従来どおり、損金の額に算入できるのではないか、との疑義がしょうじてることとなった。条文は何も変わっていないからだ。
 しかし、源泉徴収税の元である外国子会社配当が益金不算入となったのであるから、本制度の趣旨からすると、当然に、法人事業税においても配当に係る源泉徴収税は損金算入しないということになる。


◆ 益金算入部分に対応する源泉税は損金算入との考え方も


 ただ、益金不算入となるのは、配当等の額からその配当等の額に係る費用の額に相当する額(配当等の額の5%相当額)を控除した額(95%)であるため、配当等の5%相当額は益金に算入されることになる。
 そのため、対応する源泉徴収税の5%相当額は、地方税法施行令21条の5の規定から、法人事業税の所得計算上、損金算入できるのではないか、と指摘されることになったわけだ。
 しかし、法人税法で外国子法人から受ける配当等に係る外国源泉税等を損金不算入としていることと同じように、法人事業税においても、制度の趣旨を踏まえれば、外国子会社配当に係る源泉徴収税は損金不算入であると解釈されることになる。






(以上参考;週刊「経営財務」第2960号)
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