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負債利子の額 | = | 当期支払利子額 | × | 前期末と当期末の一般株式等の帳簿価額 |
総資産の帳簿価額 |
原則法A:関係法人株式等の負債利子の額
負債利子の額 | = | 当期支払利子額 | × | 前期末と当期末の関係法人株式等の帳簿価額 |
総資産の帳簿価額 |
簡便法@:一般株式等の負債利子の額
負債利子の額 | = | 当期支払利子額 | × | 原則法@による基準年度の負債利子の合計額 |
基準年度の支払利子額の合計額 |
簡便法A:関係法人株式等の負債利子の額
負債利子の額 | = | 当期支払利子額 | × | 原則法Aによる基準年度の負債利子の合計額 |
基準年度の支払利子額の合計額 |
基準年度は、平成10年4月1日に存在する法人について、平成10年4月1日から平成12年3月31日までの開始した各事業年度(平成10年度と平成11年度)とされていた(旧法令22条B)。今回、基準年度が改正sされ、平成22年4月1日に存在する法人について、平成22年4月1日から平成24年3月31日までn開始した各事業年度(平成22年度と平成23年度)となった(法令22条D)
◆ 前回の改正では経過措置があったが
前回、基準年度の改正が行われたのは、平成10年度であった。その際は経過措置として平成12年3月31日までに開始した事業年度は、従前の基準年度を適用する経過措置が設定されていた(平成10年改正法令附則3条)。
しかしながら、今回の基準年度の改正では、経過措置を設けていないため、改正法令施行後の、平成22年4月1日以後最初に開始する事業年度において、平成10年度と平成11年度の負債利子の額を使った簡便法を適用することはできない。つまり、基準年度は平成22年度のみとなる。その結果、平成22年4月1日以後最初に開始する事業年度での負債利子の額は、原則法と簡便法で変わらないことになる。
◆ 改正前の関係法人株式等には完全子法人株式等が含まれていた
今回の改正では受取配当等の益金不算入制度についてもう1つ改正があり、グループ法人税制に伴って”完全子法人株式等”(配当等の計算期間で継続保有している完全支配関係のある法人の株式等)に係る配当等について、負債利子控除を適用しないことになった。この影響により、関係法人株式等(発行済株式等の総数の25%以上を6ヶ月以上保有している株式等)の範囲から完全子法人株式等が除外されることとなっている(法令22条の3)。
ところで、改正前の基準年度の、平成10年度と平成11年度の関係法人株式等の帳簿価額には、完全子法人株式等の帳簿価額が含まれている。平成22年4月1日以後に最初に開始する事業年度における受取配当等の配当益金不算入制度を適用する際、仮に改正前の基準年度による簡便法を採用したとしても平成10年度と平成11年度の負債利子の額のうち、関係法人株式等に係る額から、完全子法人株式等に係る額を除外しなければならない。実務的にも、10年以上も前の平成10年度と平成11年度の負債利子の額について、完全子法人株式等に係る帳簿価額だけを抜き取るのは難しいといえる。
このようなことから、経過措置が設けられなかったが、改正法令施行前において基準年度の関係法人株式等の帳簿価額から完全子法人株式等の帳簿価額を控除すれば適用できるようにする検討はされたようだ。
(以上参考;週刊「税務通信」第3111号)
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