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M&Aニュース

                                               2010年04月30日
 





事業承継税制の整備で経営承継円滑化法の改正省令が公布
      
      

    中企庁 円滑化法省令のパブコメ結果を公表、今後の検討課題も  
            



  経済産業省は3月31日、「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律施行規則の一部を改正する省令」を公布、同日、中小企業庁からは2月17日に実施された同省令改正案hのパブコメの結果も公表された。
 経済産業大臣の認定の取消事由には、特別子会社が風俗営業会社に該当することなどがあげられているが、パブコメで寄せられた意見では、その要件のために6親等先の親族が経営する会社まで調べなければならないといった負担が懸念され、現状の社会情勢にマッチしないとの指摘がされた。
 これについて、中小企業庁はパブコメの結果公示で、今後、制度の運用状況を踏まえ、指摘の点も含め検討するとの考え方を示しており、平成23年度以降の税制改正では、雇用80%維持要件など他の問題とあわせ、検討課題となる可能性があることがわかった。
 なお、改正省令はほぼパブコメでの改正案どおり。様式も改正省令の規定に対応した整理が行われ、申請者が使用しやすいように改良された。


◆ 措置法改正政令で認定要件の詳細を規定


 事業承継税制について平成22年度の税制改正では、納税猶予制度が適用されない一定の法人、外国会社や医療法人などの株式等を会社を通じて保有する場合の認定要件の明確化が図られ、この場合の認定会社の納税猶予額については、外国会社等の株式相当額を算入しないで計算するといった整備が行われた(措法70条の7〜70条の4)。
 改正措置法と同時に公布された措置法令では、納税猶予税額の計算に際して認定会社が一定の法人の株式等を有していなかったものとされる場合のその一定の法人等を定めるなどしている(措令40条の8〜40条の8の3)。
 納税猶予分の税額の計算では、外国会社その他政令で定める法人の株式を有する場合、その株式等は有していないものとして計算するわけだが、この法人について、認定贈与承継会社やその会社の代表権を有する者などの一定の関係者が医療法人の議決権50%超を有する場合の医療法人と規定されることとなった。
 この円滑化省令施行規則の改正省令も、措置法令と同様、4月1日から施行されている。


◆ 顔も知らない親族が経営する会社を調べる必要がある?


 こうした事業承継税制の整備に伴い、経営承継円滑化法については施行規則の改正案がパブコメの対象とされ、3月31日の結果公示で、3件の意見が寄せられたことがわかった。
 その中には、省令改正案に直接関係はないものの、親族が経営する会社が風俗営業会社でないことなど、要件を満たす中小企業であることが必要である点について、実務の負担を懸念する指摘があった。「ご意見の概要」には、経済産業大臣の認定の取消事由には、会社の代表者の同族関係者が過半数の議決権を有している「特別子会社」が風俗営業会社等に該当する事由があり、親族概念が導入されていることから、「6親等先の親族まで調べるのは現状の社会情勢にマッチしないと同時に、またプライバシーの観点でも問題となってくる。同族関係者の範囲を限定するか、当該認定会社の株主に限る旨の追加をすべきである。」との意見があったと紹介されている。
 これについて、中小企業庁は「ご意見に対する考え方」として、「納税猶予に係る認定の際、6親等内に風俗営業会社等に該当する者がいないことを確認していただく必要があり、それに一定の手間が生じる点は事実です。今後、制度の運用状況を踏まえ、ご指摘の点も含め、検討して参ります。」としている。


◆ 子会社に外国会社ある場合は従業員5人以上が要件に


 このほか、中小企業者の特別子会社が外国会社に該当する場合は従業員数の要件が5人以上とされたことについて、外国会社を有する場合の要件はこの要件だけか、外国会社についてさらに、経営承継円滑化法2条の中小企業者の要件に該当する必要があるのかといった照会があったが、中小企業庁は、この場合においても、認定を受けるためには他の必要な要件を充足する必要があること、外国会社は円滑化法2条の中小企業者に該当する必要はないと回答している。
 また、相続税の納税猶予を受ける場合の経済産業大臣の確認手続きが省略できる期間は平成22年3月31日までの相続の場合であったが、これについて再度、経過措置を設けるべきであるとの意見もあった。
 これについては、「本経過措置は、現行施行規則の施行直後の相続について、本制度固有の手続きである「計画的な承継に係る取組に関する経済産業大臣の確認」を受けることが困難である場合も想定されるため設けたものです。施行後約1年半を経て、各事業者が確認を受けるための準備に必要な期間を経過したものと考えております。」との考え方が示されている。






(以上参考;週刊「税務通信」第3111号)
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