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M&Aニュース

                                               2010年05月10日
 





    耐用年数不確定の無形資産は非償却

      
      

    ASBJ 非償却とした場合の減損方法なども検討


 
  企業会計基準委員会(ASBJ)は4月22日、第200回本委員会において、前回に引き続き、「無形資産の取扱い」に関する審議を行なった。今回の主な論点は、耐用年数を確定できない無形資産の取扱い。事務局からは、無形資産の耐用年数が確定できない場合には、IFRSと同様に償却は行わないこととする取扱いが提案された。また、非償却とした場合の減損方法に関しても検討を行った。減損テストの頻度、減損損失の認識及び測定、減損損失の戻入の取扱いなどだ。


◆ ブランドや商標権など


 IFRSでは、「無形資産が企業に対して正味のキャッシュ・インフローをもたらすと期待される期間について予見可能な限度がない場合、企業は、当該無形資産の耐用年数は確定できないものとみなさなければならない」と定義し、耐用年数を確定できない場合には、償却は行わないという取扱いである。日本基準においても、「耐用年数を確定できない無形資産」の概念を取り入れ、IFRSと同様に償却は行わない取扱とする。具体的な定義や要件については、引き続き検討を行う。
 実際にどのような資産が対象となるかについては、ASBJが論点整理の公表前に欧州企業100社を対象にした事例調査を行っている。それによると、耐用年数が確定できない無形資産について何らかの注記を行っている会社は半数に上り、うち36社では一定の金額が計上されており、具体的な内容も確認できた(多くは買い入れや結合によるもの)。内訳として多かったのは、ブランドと商標権。食品業界や化粧品、アパレル業界など、ブランドや商標権が占める比重が相対的に高いとみられる業界で、耐用年数不確定の無形資産が多くみられた。


◆ 非償却とした場合は「減損テスト」を


 耐用年数を確定できない無形資産を償却しないこととした場合には、関連する資産の減損方法が論点となる。減損テストの頻度、減損損失の認識及び測定、減損損失の戻入の取扱いなどである。ただし、のれんの会計処理方法を検討している企業結合会計基準の見直しプロジェクトとも関連する論点のため、のれんの減損との関係を考慮し検討を進める。


◆ 借地権の取扱いも検討


 論点整理に対しては、借地権の取扱いに関し、「契約内容によっては償却をしなければならないものがあるのではないか」など、別途検討を行うことを求めるコメントが寄せられた。事務局では、「借地権の中には、その契約内容如何によって償却しなければならないものと、そうではないものがある可能性がある。したがって、当該資産が、償却を行うことが適切でない無形資産に該当するかどうかについては、法的権利の性質、契約上当該権利が維持される期間、当該借地権の利用によって期待されるキャッシュ・フローの見込みの程度等を勘案し慎重に検討する必要がある」とし、別途検討を行うことを提案。借地権が「耐用年数が確定できない無形資産」に該当するか否かについては、次回以降に検討を行う予定だ。






       (以上参考;週刊「税務通信」第3111号)
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