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M&Aニュース

                                               2010年05月12日
 





      子会社支援損等の取扱いに変更なし

      
      

    従来どおり取扱いに該当する支援損等は損金算入


 
法人による完全支配関係を有する法人間での寄附金は、寄附した側で全額損金不算入となり、寄附を受けた側において全額益金不算入となる改正が行われた。
 寄附金の改正に対して、税理士や企業の間では寄附金に係わる重要な取扱いの1つである子会社支援損や整理損に係る取扱いについても、改正が行われるのかどうか気になるようだ。
 ただ、今回の改正は、寄附金に該当する場合における損金処理についての改正であって、寄附金の意義等を改正しているわけではないため、子会社支援損に関する取扱いの改正は行われないという。


◆ やむを得ない相当な理由がある場合は支援損等は寄附金に該当せず


 寄附金に関して、法人税基本通達では第9章「その他の損金」に、寄附金の範囲等の取扱い(法基通9−4−1から9−4−8)が記されている。その中で、親子会社間に関する寄附金の取扱いとして、”子会社等を整理する場合の損失負担等”(法基通9−4−1)と”子会社等を再建する場合の無利息貸付け等”(法基通9−4−2)がある。2つの取扱いは支援損等に関するもので、9−4−1は、やむを得ず損失負担等したことについて相当な理由があると認められるとき、損失負担等により供与する経済的利益の額は寄附金に該当しないというもの。9−4−2は、やむを得ず行われる合理的な再建計画の基で無利息貸付け等したことについて相当な理由があると認められるときに、無利息貸付け等により供与する経済的利益の額は寄附金に該当しないというもの。


◆ 法人による完全支配関係の場合では寄附金は全額損金不算入


 ところで、連結法人間以外のケースで、支出した寄附金について現行は限度額の範囲内で損金算入され、受贈益につちえは益金算入となるが、平成22年10月1日以後に支出した寄附金については、法人による完全支配関係のある法人間による支出の倍は全額損金不算入となり、受け入れ側の受贈益については全額益金不算入となる改正が行われた(法法25条の2、37条)。
 寄附金に関する改正が行われたため、支援損等の取扱いについて何らかの変更となるのではないかという向きがあるようだ。


◆ 子会社支援等の取扱いは寄附金に該当の有無に関するもの


企業会計基準委員会(ASBJ)は4月22日、第200回本委員会において、前回に引き続き、「無形資産の取扱い」に関する審議を行なった。今回の主な論点は、耐用年数を確定できない無形資産の取扱い。事務局からは、無形資産の耐用年数が確定できない場合には、IFRSと同様に償却は行わないこととする取扱いが提案された。また、非償却とした場合の減損方法に関しても検討を行った。減損テストの頻度、減損損失の認識及び測定、減損損失の戻入の取扱いなどだ。


◆ ブランドや商標権など


 法人が支出した金額については、大まかに費用・損失にあたり、別段の定めがあるものを除いて損金算入されるものと、寄附金に該当して限度額範囲内でしか損金算入されないものの2つに分けられる。9−4−1と9−4−2の取扱いとは、前述のように子会社支援等のために支出した金額について、事実に基づき相当な理由等があれば、寄附金に該当しない取扱い、つまり支出金額の入り口に関する取扱いである。
 一方で22年度の改正では、あくまでも寄附金となるものに対して、法人による完全支配関係の法人間で行われているものは、限度額範囲内の損金算入とすることから、全額損金不算入とすることへの改正である。
 このように、寄附金そのものの考え方に関する変更ではないことから9−4−1、9−4−2については改正することはないという。
 なお、支援等を受けた会社での受け入れた収入は、益金不算入となる受贈益には該当せず、雑益扱いとなるようだ。





        (以上参考;週刊「税務通信」第3113号)
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