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M&Aニュース

                                               2010年06月30日
 





 金融庁 会社法改正見据え市場関係者らと意見交換
           
 
       

         金融・資本市場の視点から法制審に意見発信を

 
 金融・資本市場の視点から法制審議会に意見発信を行う。法制審・会社法制部会で会社法改正に向けた議論がスタートしたことに対応し、金融庁が「コーポレート・ガバナンス連絡会議」を設置している。連絡会議は、コーポレート・ガバナンスを巡る動きについて金融庁と市場関係者らが意見交換を行う場。ここで出された問題点等を法制審に伝え、会社法の改正に反映させる狙いがある。主に、法制審で扱うテーマについて議論を行うが、それ以外の市場を巡る問題についても法制審とは別に取り扱う。これまでに行われた2回の会議では、法制審の主要論点である@ガバナンス機構のあり方、A企業結合法制の他、B機関投資家の受託者責任などが議論されたようだ。なお、連絡会議では、議論の結果等をとりまとめた報告書などは出さず、参加者も固定しない方針。

 法務省では、法務大臣による会社法の見直しに関する諮問を受け、法制審議会・会社法法制部会を設置。会社法改正に向けた議論をスタートさせた。主な論点は、企業統治(ガバナンス機構等)の在り方と親子会社に関する規律(企業結合法制)など。
 こうしたテーマは、一昨年来、金融庁・金融審議会が議論してきたもの。昨年6月に公表したコーポレート・ガバナンスに関する報告書において問題点などが指摘され、取引所規則において、独立役員を義務付けるなどの改正が行われている。
 しかし、ガバナンス機構の問題等に関しては、会社法の改正が必要となり、金商法による規則では対応できないものもある。
 このため金融庁では、法制審において、これまでの金融審での議論や、連絡会議で出された問題点等を改めて提起。会社法の改正に反映させたい考えだ。


◆ ガバナンス機構のあり方を巡る問題


 ガバナンス機構のあり方については、@社外取締役の導入義務化と、A監査役への決定権(監査人の選任議案・報酬)の付与などが論点となりそうだ。この点については金融審議会などでも激しく議論されたもの。


◆ 企業結合法制を巡る問題


 企業結合法制については、@企業集団法制とA企業結合法制に区分して議論されそうだ。
 @は、持株会社等を用いた企業のグループ化を念頭に置いたもの。「子会社が行う重要な行為について、親会社の株主による監督権限が十分でなく、親会社株主に対する子会社経営陣による説明も十分に果たされていない」等の問題点が指摘されており、企業集団全体において、コーポレート・ガバナンスの徹底を図るのが狙い。
 Aは、企業結合の形成過程等に関する規律を扱うもの。具体的には、キャッシュアウト(現金を対価として行う少数株主の締め出し)などに関し、株主の権利保護などを図るのが狙い。
 連絡会議での主な意見は次の通り。

@企業集団法制

・実務家の視点を重視し、法制審議会とは異なるアプローチから検討していくことが需要。法務省は国内的な視野なので、企業集団法制を考える場合でも、グローバルでの企業結合をどう組み込んでいくかという発想は出てこない。

A企業結合法制

・我が国でも義務的公開買付制度が導入されたことにより、会社法上の株式買取請求権との類似も見られるところ。市場/市場外の取引を通じた支配権移動の場面における、株主の退出権の在り方については、会社法上も少数株主保護の観点から検討を要する。


◆ 機関投資家の受託者責任を巡る問題


 機関投資家の受託者責任(利益相反防止義務等)は、連結会議が独自に扱う論点。
 機関投資家が議決権行使を行うに際しては、受託者との利益相反が生じる可能性が指摘される。このため、受託者責任を担保する観点から議決権行使の基準となるガイドラインの作成・公表、行使結果の公表などが議論されそうだ。
 連結会議での主な意見は次の通り。
 ・議決権行使の場面における受託者責任の考え方が浸透していないのは問題。





       (以上参考;週刊「経営財務」第2969号)
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