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M&Aニュース

                                               2010年07月05日
 





適格合併後に連結導入した場合の繰越欠損金の取扱い
           
 
       

  連結開始前であれば被合併法人の繰越欠損金は利用制限を受けず

 
 
 平成22年度改正では、連結子法人の繰越欠損金の持込制限が緩和され、連結子法人の連結開始又は加入前に生じた欠損金額は、各連結法人の個別所得金額を限度として繰越控除することが可能となった。この改正に伴い、連結親法人が連結グループ外の法人を適格合併した場合、被合併h常人の繰越欠損金はその連結親法人の個別所得金額を限度として繰越控除できる制度へと改められている。
 この改正は、平成22年4月1日以後に開始する連結親法人の事業年度で、かつ10月1日以後の期間にグループ外法人との適格合併を行い被合併法人の繰越欠損金を合併法人(後の連結親法人)へと引き継いだ後に連結納税制度を実施するような場合は、その繰越欠損金は連結導入後、「特定連結欠損金以外の連結欠損金」として連結全体から控除できることが明らかとなった。


◆ 10月以降の連結合併から繰越欠損金が改正に


 連結親法人が連結グループ外の法人を適格合併した場合、その被合併法人の未処理欠損金額は「連結欠損金額」とみなされ、被合併法人の適格合併頭の日前7年以内に開始した各事業年度において生じた欠損金額は、連結親法人の各事業年度開始の日前7年以内にお開始した連結事業年度において生じた各連結欠損金額に加算されて各連結事業年度で繰越控除される仕組みとなっている。
 ところが、平成22年10月1日以後に連結親・子法人がグループ外の法人を適格合併した場合、被合併法人の繰越欠損金は連結欠損金額とみなされると同時に、損金参入額が各連結法人の個別所得の範囲内に制限される「特定連結欠損金額」に該当することとされた。つまり、合併法人である連結親法人に引継がれる被合併法人の繰越欠損金額は、一部控除の制限を受けるケースも生じるのだ。


◆ 連結・適格合併の実施日に注意


 この改正は、平成22年4月1日以後開始する連結親法人の事業年度の期間(10月1日以後の期間に限る)内にグループ外法人との適格合併が行われる場合から適用される(改正法附則26E)。つまり、連結納税を行っている法人が平成22年10月1日以後に適格合併を行なった場合に新法が適用されることとなる。
 この点、連結納税の導入前に適格合併を行い、翌事業年度以降に連結納税を導入した場合には、たとえその合併を行なった日が平成22年10月1日以後であっても、被合併法人の繰越欠損金額は全額が合併法人へと引き継がれ控除の制限も受けることはない。これは、適格合併により合併法人へと引き継がれた被合併法人の繰越欠損金は、連結納税の導入時においては合併法人=連結親法人の繰越欠損金、つまり「特定連結欠損金以外の連結欠損金」に該当するためだ。したがって、連結親法人の個別所得金額に関係なく全額を連結全体から控除することができることとなる。

 連結納税制度の導入と合併を検討している企業は、実施時期により繰越欠損金の利用機嫌が大きく異なる点に留意したいところだ。






       (以上参考;週刊「税務通信」第3119号)
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