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M&Aニュース

                                               2010年07月12日
 





   公正価値測定の基準案固まる
           
 
  

   ASBJ 7月6日の本委員会で議決予定
 


 
 
  企業会計基準委員会(ASBJ)は6月21日、金融商品専門委員会(第67回)を開催した。検討議題は、「(金融商品会計)現行基準の見直し」と「公正価値測定(公開草案作成)」、「IASB公開草案(金融負債に対する公正価値オプション)への対応」の3つ。
 このうち、公正価値の「定義」や「算定方法」、「注記事項」などを定める公開草案の文案作成は同日の検討で作業が終了。今後、7月6日開催予定の本委員会で内容を審議し、公表の可否を議決する予定。


◆ 公正価値測定、専門委の検討終了


 ASBJの「プロジェクト計画表」(4月公表)では、年内に公正価値測定の基準化を終える見込み。公開草案は、同計画によると6月末までの公表予定になっている。専門委での作業は、ほぼスケジュール通りに終わった。
 公正価値測定の考え方や注意事項としての公正価値に関する開示などといった内容を規定するこの基準案は、7月6日の本委員会で公表議決を行う方向。
 草案作成で検討した主な項目は次のとおり。
・目的
・公正価値の定義
・公正価値の算定方法
・公正価値に関する注記事項
・適用時期
・影響のある他基準・会計処理等


◆ 他基準の「時価」は読み替えて対応


 我が国の会計基準には従来、「公正価値」の用語や、それを統一的に定義する規定がなかった。しかし、「公正価値」とほぼ同義とされる「時価」の用語が複数の基準において記載され定義されている。
 したがって、今回の基準案が確定すると、「時価」の表記がある下表の基準等に影響がある。

会計基準等 対象となる会計処理等
金融商品 金融商品に関する会計処理・開示
賃貸不動産時価開示 賃貸不動産の開示
棚卸資産評価 トレーディング目的で保有の棚卸資産の評価
固定資産の減損 回収可能科学(正味売却価額)
企業結合 取得原価の算定・配分
退職給付 年金資産の時価(公正な評価額)



 これら既存の基準に関して専門委は、公正価値測定基準の考え方と不整合がなければ「それらの定めを基本的に残す」としている。


◆適用時期


 適用時期は「平成24年4月1日以後開始事業年度から」になりそう。「平成24年3月31日以前に開始する事業年度から」の早期適用も認める方向だ。
 同基準案の内容で最終基準が確定すれば、企業の財務諸表には「公正価値の算定方法に係る事項」や「公正価値のレベル別の内訳」、「レベル3の公正価値に係る事項」などが注記されることになる。
 ASBJは草案へのコメント期間として2ヶ月をとる予定。実務面での影響が大きいとみられる金融機関等での対応が注目される。




       (以上参考;週刊「経営財務」第2972号)
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