2010年07月29日
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適格分割等での一括評価貸倒引当金も期中繰入れ可能
個別評価と同様に分割等2ヶ月以内の届出が必要
平成22年度改正では、組織再編税制の大幅に改正に伴って、貸倒引当金も改正が行われ、実務界から要望のあった適格分割等における一括評価金銭債権の期中繰入れについて、10月1日以後の適格分割等から認められることになった。
しかし、一括評価金銭債権の期中繰入も個別評価金銭債権と同様に、分割法人等が適格分割等の日以後2ヶ月以内に所轄税務署長へ届出ることが要件となっている。
従来どおり、宥恕規定は設けられていないため、期中繰入れする際は失念しないようにしたい。
◆ 10月1日以後の適格分割等から適用
貸倒引当金の税務では、平成13年度の組織再編税制と一括評価金銭債権に区分し、適格分割等が行われた場合、個別評価金銭債権に係る貸倒引当金について分割法人等で期中繰入れが認められている(法法52条@AD)。一方、一括評価金銭債権に係る貸倒引当金は個々の金銭債権との関係性が薄く、恣意性があること等から期中繰入れの対象ではなかった。
ただ、金融商品会計基準など会計上の実務が整備や、適格分割等における時価法の導入、また今年度では組織再編税制も多岐にわたり改正が行われること等から、一括評価金銭債権に係る貸倒引当金も期中繰入れが認められることになったようだ。
◆ 適格現物分配も期中繰入れ可能の対象に
一括評価金銭債権と個別評価金銭債権の貸倒引当金の期中繰入れの可能な適格再編は、適格分割、適格現物出資、適格現物分配の3つのケースとなっている(法法52条DE)。従来の個別評価金銭債権の期中繰入れと同様に、一括評価金銭債権も、期中繰入れを行う分割法人等が、適格分割等の日以後2ヶ月以内に納税地の所轄税務署長に、「分割法人等と分割承継法人等の日」、「期中の個別評価と一括評価の貸倒引当金勘定の額及び個別評価と一括評価の貸倒引当金繰入限度額相当額やそれらの額の計算に関する明細」、「参考事項」を記載した書類を提出する場合に認められる(法法52条F、法規25条の6)。
しかし、この期中繰入れについて宥恕規定は設定されていない。
◆ 分割承継法人等の一括評価貸引の引継ぎ額は分割法人等の期中繰入れ 額に改正
貸倒引当金の期中繰入れを分割法人等が行った場合、相手方の分割承継法人等に期中繰入額が引き継がれる。改正前における一括評価金銭債権の貸倒引当金について、適格分社型分割等では認められず、適格分割型分割では、一括評価金銭債権の帳簿価額等を用いて計算することとされていた(旧法法52条F)。
引継ぎについても、一括評価金銭債権に係る貸倒引当金の期中繰入れが可能になったことに伴い、引継ぎ額は個別評価金銭債権に係る貸倒引当金と同様に分割法人等の損金算入された期中繰り入れ額に改められている(法法52条G)。
(以上参考;週刊「税務通信」第3123号)
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