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M&Aニュース

                                               2010年08月09日
 





   グループ法人税制対応で税効果指針を改正へ
          
           
                      
 
   

    JICPA 完全支配法人間の譲渡損益の繰延・寄附の取扱い






 日本公認会計士協会(JICPA)は7月9日、「連結財務諸表における税効果会計に関する実務指針」(会計制度委員会報告第6号)および「個別財務諸表における税効果会計に関する実務指針」(同第10号)の改正案を公表した。平成22年度税制改正により導入されたグループ法人税制に対応した改正を行う。主な改正点は、@100%グループ内の法人間の譲渡取引の損益の繰延べへの対応、A100%グループ内の法人間の寄附への対応。


◆ ASBJ実務対応報告と合わせて税効果の取扱いをカバー


 グループ法人税制への税効果会計に関する対応として、企業会計基準委員会(ASBJ)により、6月30日付で2本の実務対応報告(実務対応報告第5・7号)が改正されている。連結納税制度を適用する場合の税効果会計上の取扱いである。このほど日本公認会計士協会から公表された実務指針の改正案は、上記実務対応報告において対応していない部分の手当を行うもの。ASBJの実務対応報告と合わせて、グループ法人税制に関する税効果会計上の取扱い全般をカバーする。改正項目は次の2点である。


(1)100%グループ内の法人間の譲渡取引の損益の繰延べへの対応

 平成22年度税制改正では、譲渡損益調整資産(有形固定資産、有価証券等)の繰延の取扱いを連結納税制度適用会社に限らず、完全支配関係のある会社間の譲渡取引に係る譲渡損益に適用することとした。ASBJ実務対応報告では、当該譲渡損益の調整については、連結納税制度を採用していない会社についても適用されることを明記した(実務対応報告第5号Q5)。これを受け、実務指針では、下記規定を新設する。その他、第30−2項、47項を見直す。
 「完全支配関係(法人税法第2条12の7の6号参照)にある国内会社間の資産の移転に係る損益のうち一定の要件を満たすものは課税の繰延べが行われるが、この場合、譲渡当事会社の属する企業集団の連結財務諸表において、譲渡した事業年度の課税所得を構成せずに課税が繰り延べられることとなる損益は、連結財務諸表上においても消去されることから、繰延税金資産及び繰延税金負債を認識しない」(改正連結税効果実務指針案12−2項)

(2)100%グループ内の法人間の寄附への対応

 完全支配関係のある法人間の寄附については、支出側では損金不算入、受領側では益金不算入とされ、実質的な課税関係が変わったことによる手当てを行う。個別税効果会計実務指針の第8項および第10項において、上記(1)への対応と併せて、将来減算一時差異および将来加算一時差異の例示を示す。

  • 完全支配関係(法人税法第2条12の7の6号参照)にある法人間の資産の移転に係る譲渡損の繰延べ、完全支配関係にある法人間の寄付金受領法人の株主における子会社株式の税務上の簿価修正も将来減算一時差異となる。(改正個別税効果実務指針案第8項)
  • 完全支配関係にある法人間の資産の移転に係る譲渡益の繰延べ、完全支配関係にある法人間の寄附金支出法人の株主における子会社株式の税務上の簿価修正も将来加算一時差異となる。(同第10項)




       (以上参考;週刊「経営財務」第2976号)
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