2010年08月18日
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中国企業が出資する日本企業、5年間で2.5倍に
近時、中国企業による”日本買い”の動きが目立つ。樺骰巣fータバンクによると、中国企業が出資している日本企業は、本年6月時点で611社。2005年6月時点の233社から、5年間で約2.5倍にまで急増している。主な事例は、家電量販店のラオックス、ゴルフ用品の本間ゴルフ、老舗のアパレルのレナウンなど。中国企業は日本のブランド力や技術力に、日本企業は中国の資金力と販路に価値を見出しているようだ。今後は、人民元切り上げが、中国企業による出資に拍車をかける可能性もある。
◆ 出資先企業は年商1〜10億の中小企業が5割
中国企業が出資した日本企業を業種別にみると、「卸売業」が323社(構成比52.9%)で最多、全体の過半数を占めた。なかでも、電気機器、食品、繊維関係の貿易会社が目立つ。2番目は「サービス業」(136社、構成比22.3%)で、うち3社に1社をソフトウェア業者が占める。3番目は「製造業」(69社、構成比11.3%)で、5年前の21社から3倍にまで増えた。
年商規模別にみると、「1億円以上10億円未満」が202社(構成比48.1%)で最多。以下、「10億円以上100億円未満」(110社、26.2%)、「1億円未満」(88社、21.0%)と続く。
◆ 市場が好材料視する例も、レナウン株は急騰
TDBが行った企業の意識調査によると、「新興国の企業による日本企業買収が、日本経済にとって脅威になる」との回答は、8割を占めた。中国での事業拡大につながることには期待する一方で、日本の技術やノウハウ、ブランドの流出による競争力低下を危惧する声が目立つ。
一方で、マーケットは、中国企業による出資を好材料視するケースが多い。例えば、老舗アパレルのレナウンでは、5月24日に中国の繊維大手・山東如意科技集団を割当先に第三者割当増資を実施すると伝わると、市場が即座に反応。同社株式はこれを材料に買いを集め、同月24〜25日の2日間連続でストップ高まで暴騰した。
◆中国企業が出資する主な日本企業◆
企業名
(日本企業) |
年売上高
(百万円) |
業種 |
所在地 |
出資企業名
(中国企業) |
出資時期 |
潟激iウン |
61,034 |
アパレル製品製造 |
東京都 |
山東如意科技集団 |
2010年7月 |
竃{間ゴルフ |
11,384 |
ゴルフ用品製造 |
東京都 |
マーライオンホールディングス |
2010年6月 |
東山フィルム |
5,386 |
樹脂フィルム加工 |
愛知県 |
忠信集団 |
2010年6月 |
日興電機工業 |
6,278 |
自動車部品製造 |
神奈川県 |
寧波韻昇 |
2010年2月 |
鰍rJI |
8,221 |
システム開発 |
東京都 |
聯想グループ |
2009年12月 |
ラオックス |
9,519 |
家電量販店経営 |
東京都 |
蘇寧電器集団 |
2009年8月 |
潟tェニックス |
7,510 |
スポーツ用品販売 |
東京都 |
中国動向集団 |
2008年5月 |
サンテックパワージャパン |
7,500 |
太陽光発電システム販売 |
東京都 |
サンテックパワー |
2006年8月 |
(注1)潟激iウンは7月30日に増資実地予定
(注2)一部推定値含む
(以上参考;週刊「経営財務」第2977号)
(このコンテンツの使用に関し(株)税務研究会の許諾を受けています。)
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