2010年08月24日
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解散に係る期限切れ欠損金の利用
解散事業年度では不可
各清算事業年度においてのみ利用可能な点に注意
22年度改正では、22年10月1日以後に解散した場合、各清算事業年度末において実質債務超過であるならば期限切れ欠損金の利用を認めると措置したが、この利用はあくまでも”清算事業年度”中に債務免除等を受けた場合に限られ、いわゆる”解散事業年度”では利用ができないので留意が必要だ。
◆ 解散事業年度でも期限切れ 欠損金は使用可能か
22年度税制改正で新設された法人税法代59条第3項では、「内国法人が解散した場合において、残余財産がないと見込まれるとき」には、一定の期限切れ欠損金を使用できると規定しているが、ここでいう「解散した場合」という箇所について、「解散した日」も含むのかどうか気にする向きもあるようだ。
仮に「解散した日」も含むと解釈する場合、みなし事業年度の規定において(法法14@一)、いわゆる解散事業年度(=解散日の属する年度)を「事業年度開始の日から解散の日まで」の期間としていることからすると、解散事業年度において債務免除益等が生じた場合にも、期限切れ欠損金を利用できるのではないかと見る向きもあるからだ。
つまり、清算事業年度において債務免除益等が生じる場合だけでなく、解散事業年度で債務免除益等が生じる場合においても、期限切れ欠損金の利用が認められるのではないかと考える者もいるということだ。
◆ 解散事業年度では期限切れ 欠損金の使用は不可
しかし、この点、解散に係る期限切れ欠損金の利用は、いわゆる解散事業年度においては認められない。
法人税法上、「解散した場合」という箇所がいつを指すのかという点は明らかにされていないものの、59条第3項では期限切れ欠損金を「適用年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する」と規定しており、この「適用年度」とは「その清算中に終了する事業年度」を指すからだ。結果、期限切れ欠損金の利用はあくまでも清算事業年度に限定されることとなる。
(以上参考;週刊「税務通信」第3126号)
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