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M&Aニュース

                                               2010年09月01日
 




 出資金5億円以上の共同組合等も大法人に該当  
    


     
           
   

     完全支配関係にある子法人は中小特例の適用なし
 



 22年度税制改正により、資本金5億円以上の大法人と完全支配関係にある資本金1億円以下の子法人については、軽減税率などの中小特例が不適用となった(法法66等)。大法人の範囲には内国法人をはじめ、相互会社や外国法人が含まれているが、一部の実務家の間では「協同組合等」が含まれているか気になる向きがあるようだ。
 この点について、中小特例の適用がない大法人は「資本金の額又は出資金の額が5億円以上である法人」(法法66E二)と規定しており、出資金5億円以上の協同組合等と完全支配関係のある資本金1億円以下の完全子法人についても、22年4月1日以後の開始事業年度から中小特例が適用されない点に注意されたい。


◆ 資本金5億円以上の大法人の完全子会社の中小特例を見直し


 従前は大法人の完全子法人であっても、資本金1億円以下の子法人については@軽減税率(法法66等)A貸倒引当金の法定繰入率(措法57の10)B交際費等の損金不算入制度における定額控除制度(措法61の4)C欠損金の繰戻しによる還付制度(措法66の13)D特定同族会社の特別税率の不適用(法法67)という中小企業向けの特例措置の適用があった。だが、22年度税制改正では、脆弱な資金調達能力や零細な事業規模に対し政策的配慮がなされる通常の中小法人と違い、親会社の信用力が背景にある大法人の子法人は資金調達などが可能なことからも中小特例を適用しないこととなった。


◆ 協同組合等の子法人も軽減税率などの中小特例はなし


 そもそも協同組合等は、団体内部の活動により利益を上げることを予定するなど営利性が否定され、会社法上の会社には当たらない。一方、税法上における協同組合等は法人税法別表三に掲げる法人で、今回の中小特例の適用のない大法人については、相互会社、外国相互会社又は法人課税信託の受託法人は税法上で明らかだが(法法66E等)、大法人が協同組合等に該当するのか否か関心を集めていた。
 しかし、22年度税制改正では、完全子法人を有している大法人について「資本金又は出資金の額が5億円以上である法人」(法法66E)という規定が設けらたため、協同組合等も大法人に含まれた。この大法人と完全支配関係がある普通法人については中小特例が適用されないので、出資金5億円以上の協同組合との間に完全支配関係のある子法人についても、親会社の信用力を背景に政策的な配慮がなされる必要はないとして、中小特例が適用されなくなった。


◆ 親法人たる協同組合等は改正なく従来どおり


 一方、大法人に該当することとなった協同組合等そのものについては、租税特別措置法68条の適用を受ける協同組合等に係る軽減税率(年800万円以下の部分に係る法人税率は18%等)など22年度税制改正で見直しが行われていない。したがって、従来どおり法人税率の特例の適用対象となるほか、貸倒引当金の法定繰入率や欠損金の繰戻し還付などの適用対象となる点を、あらためて確認しておきたい。






       (以上参考;週刊「税務通信」第3127号)
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