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M&Aニュース

                                               2010年09月08日
 




 

     株式購入による支配関係等の判断は
         「株式引渡し日」が起点に
       

          受配の益金不算入に係る株式保有機関も同様の考え方で          
        
              

     
 先に公表された平成22年度改正を織り込んだ法人税基本通達では、グループ法人税制の創設に伴い「支配関係及び完全支配関係の有することとなった日」の時点が原因別に明確化された。
 株式の購入により完全支配関係等が生じた場合には、「株式の引渡しのあった日」から完全支配関係等を有することとなる点が明らかにされたところだが、この考え方は、株式の保有割合とその継続期間により適用関係が異なる受取配当等の益金不算入制度や外国子会社からの配当等の益金不算入制度においても同様で、いずれも契約日ではなく引渡し日が起点となることが明らかになった。


◆ 株式保有期間の起点はこれまで明示されておらず


 受取配当等の益金不算入制度(法法23)や外国子会社からの配当等の益金不算入制度(法法23の2)は、株式の保有割合とその継続期間により適用関係が異なる制度となっているが、株式の保有期間の起点について明文の取扱いは示されていなかった。
 この点について、取材を行ったところ、一般的に、株式が引き渡され自由に株主としての権利を行使できる状態になった時に株主権利が移転したといえることから、「株式の引渡しが行われた日」を起点として保有期間の判断を行うことが明らかとなった。これは、株式等の取得に係る契約が成立した日と引渡し日に開きがある場合も同様だ。
 つまり、先に公表されたグループ法人税制に係る法人税基本通達1−3の2−2(支配関係及び完全支配関係を有することとなった日の意義)、法人税質疑応答事例(グループ法人税制関係)の問1で明らかとされた「支配関係及び完全支配関係を有することとなった日」と同様の取扱いになるということだ。


◆ 法基通に併せ連結基本通達も改正に


 また、グループ法人税制が創設され連結納税制度が同税制に包含される制度となったことに伴い、連結納税基本通達で規定する完全支配関係を有することとなった日の意義(連基通1−2−3)についても、一部改正が行われた。
 これまでは株式の購入を原因として完全支配関係が生じた場合、「購入に係る契約が成立した日」に完全支配関係を有することとなったものとされてきたが、グループ法人税制の創設を受けて「株式の引き渡しがあった日」へと時点が改められている。
 なおこの改正は、平成22年10月1日以後に締結された株式の購入に係る契約のものから適用とする経過的な取扱いが設けられているので、こちらも留意されたい(連基通の一部改正 40経過的取扱い(1))。


◆ 配当計算期間中に株式が引き渡された場合の受配益金不算入制度の適    用


 また平成22年度改正では、完全子法人株式等に係る受取配当等は、負債利子控除はせず全額が益金不算入とされた(法法23@)。この規定の適用は、配当等の額の計算期間の開始の日から計算期間の末日まで継続して完全支配関係がある場合に限られている。
 仮に、100%化することが株式の譲渡契約等で決まっているものの、株式の引渡しが配当等の計算期間中となる場合は、親法人と子法人との間に配当等の計算期間を通じて完全支配関係があったとはいえないため当制度の適用を受けることができないこととなる。






       (以上参考;週刊「税務通信」第3129号)
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