運営人:潟Gムアンドエーインタークロス
後援:税務研究会

M&Aニュース

                                               2010年09月16日
 




 

    グループ法人税制対応で税効果指針改正
    
     
         
       

   
JICPA 完全支配会社間の譲渡損益の繰延・寄附の取扱い
        
              

     
 日本公認会計士協会(JICPA)は9月3日付で、「連結財務諸表における税効果会計に関する実務指針」(会計制度委員会報告第6号)および「個別財務諸表における税効果会計に関する実務指針」(同第10号)を改正した。平成22年度税制改正により導入されたグループ法人税制に対応した改正。主な改正点は、@100%グループ内の国内会社間における譲渡取引に係る損益の繰延べへの対応、A100%グループ内の国内会社間における寄附への対応、である。Aでは、会計上と税務上の株式簿価の差異が一時差異になることを明確化している。適用は、平成22年9月3日以後終了する連結会計年度末(事業年度末)および四半期会計期間末から。

 平成22年度税制改正では、譲渡損益調整資産(有形固定資産、有価証券等)の繰延の取扱いを連結納税制度適用会社に限らず、完全支配関係のある会社間の譲渡取引に係る譲渡損益に適用することとした。ASBJから公表された改正実務対応報告第5号では、当該譲渡損益の調整については、連結納税制度を採用していない会社についても適用されることを明記した。当該改正を受け、実務指針では下記規定を新設した。
 「完全支配関係(法人税法第2条12の7の6号参照)にある国内会社間の資産の移転に係る譲渡損益のうち一定の要件を満たすものは課税の繰延べが行われるが、この場合、譲渡当事会社の属する企業集団の連結財務諸表において、譲渡した事業年度の課税所得を構成せずに課税が繰り延べられることとなる損益は、基本的には、連結財務諸表上においても消去されることから、繰延税金資産及び繰延税金負債を認識しない」(連結税効果指針第12−2項)


◆ 寄附修正事由による投資簿価修正にも言及


 個別税効果指針における改正点のポイントは、寄附修正事由による株主法人における投資簿価修正が税務上の簿価修正となるため(会計上は簿価修正しない)、会計上の株式簿価と税務上の株式簿価との差異が一時差異になることが明細化された点である。
 完全支配関係のある法人に対して寄附金の支出があったときは、税務上、その株主法人において税務上の株式簿価を減額修正することになり、これが「将来加算一時差異」になる。逆に、完全支配関係のある法人から寄附金の受領を受けた法人の株主法人において税務上の株式簿価を増額修正する場合、これが「将来減算一時差異」になる。

<個別税効果指針第8項>
 「・・・・完全支配関係(法人税法第2条12の7の6号参照)にある国内会社間の資産の移転による譲渡損の繰延べに係る税務上の調整資産、完全支配関係にある国内会社間の寄附金受領法人の株主における子会社株式の税務上の簿価修正も将来減算一時差異となる。・・・・・」

<個別税効果指針第10項>
「・・・・完全支配関係にある国内会社間の資産の移転による譲渡益の繰延べに係る税務上の調整負債、完全支配関係にある国内会社間の寄附金支出法人の株主における子会社株式の税務上の簿価修正も将来加算一時差異となる。・・・・・・・」




       (以上参考;週刊「経営財務」第2982号)
       (このコンテンツの使用に関し(株)税務研究会の許諾を受けています。)






Copyright (C) 1999- M&A Intercross Co.,Ltd , All rights reserved.
omo