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M&Aニュース

                                               2010年09月21日
 




 

          株式の引渡しのあった日  
    
     
         
 
             

     
 グループ法人税制では100%持株関係、いわゆる完全支配関係がその法人間にあるか否かが適用のポイントとなる。例えば、その会社の株式を購入したことにより完全支配関係が生じた場合、株主権が行使できることとなった日、つまり「株式の引渡しのあった日」が、完全支配関係を有することとなった日とされている。
 会社法の施行により、現在、株式会社は「株券不発行」が原則とされていることから、「株式の引渡しのあった日」とは、具体的にいつのことを指すのか問題となるが、株券を発行している会社の場合、株券が交付された日となり(会社法128条)、株券を発行していない会社については、当事者間で売買の意思表示があった日、つまり売買契約が成立した日と考えられている。
 一方、平成21年1月5日から実施されている株券の電子化により、現在、上場株式の株券は全て廃止されており、株券の存在を前提として行われてきた株主権の管理が、証券保管振替機構及び証券会社等の金融機関に開設された口座において電子的に行われている。そのため、上場株式を譲渡する際には、株券そのものを引き渡す代わりに、譲渡人の口座から譲受人の口座に株式を振り替えることで、株式の引渡しが行われることとなる。
 この場合、完全支配関係を有する日の判定基準である「株式の引渡しのあった日」とは、譲渡人の口座から譲受人の口座に株式が振り替えられ、譲受人の振替口座簿にも振替の記録がされた日となるだろう。というのも、電子化された株式(振替株式)の譲渡は、振替の申請により譲受人の口座に譲渡された株式の記録を受けなければその効力は生じないとされているからだ(社債、株式等の振替に関する法律140条)。つまり、その記録がされたことによって、株式が譲渡されたこととなる。
 具体的には、振替株式の相対取引では、売買契約の成立後に譲渡人が証券会社等に自身の口座から譲受人の口座に株式の振替を申請することとなり、市場取引の暴い、売買成立後に清算機関により振替申請が行われることとなる。基本的には株式の振替が申請された日から数えて4営業日目に振替が完了するようだ。
 なお、株主名簿の名義書換により、株主権が行使できるようになると考える向きがあるかもしれないが、名義書換はあくまでも会社や第三者への対抗要件に過ぎない。






       (以上参考;週刊「税務通信」第3130号)
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