2010年09月28日
|
指定格付機関制度廃止で開示府令等手当て
金融庁 有価証券届出書様式から「取得各付」を削除
金融庁は9月8日、「企業内容等の開示に関する内閣府令(案)」等(6月28日公表)と「金融商品取引法等の一部を改正する法律の施行に伴う金融庁関係内閣府令の整備等府令(案)」(8月13日公表)に対するパブリックコメントの結果を公表した。
開示府令案は、信用格付業者に対する規制導入に伴う指定格付機関制度の廃止や格付利用のあり方の見直しを受けて、発行開示書類中の格付け関連事項の記載などを改めるもの。9月15日に公布(内閣府令第40号)、一部を除いて平成23年1月1日から適用される。
一方、金商法整備府令による一部改正では、無登録格付を提供する際の金融商品取引業者等の説明義務について、説明事項に係るグループ指定制度を創設するなど手当て。施行は10月1日の予定。
◆ 指定格付機関制度は廃止
改正の背景には、金融危機で注目された問題の一つである、格付への過度の依存や格付け記号の独り歩きなどへの対応がある。
4月1日施行の信用格付業者に対する規制導入に伴い、指定格付機関制度は廃止、信用格付業者制度に一本化された。
同改正により、発行開示書類における格付関連事項の記載が変わる。有価証券届出書の様式から「取得格付」欄がなくなる。また、信用格付業者の格付を取得する場合は、信用格付の内容や前提・限界等の説明を記載する。
◆ コメント受け、改正案を一部修正
開示府令案へのコメントは123件だった。中には、格付への過度の依存の是正は「格付業者への指導や規制などによって達成されるべき」とし、発行体の開示によって実現すべきものではないとする意見もあった。これに対して当局は「必ずしも格付会社のみが取り組めば解決できる問題というわけではなく・・・利用者の側においても一定の対応が求められる」としている。
なお、寄せられたコメントを受けて、改正案から修正が2点あった。一つは、格付ショッピング対応の見送り。コメントでの指摘もあり、海外動向を見極めてからの取り組みとなる。もう一つは、外国証券情報における格付関連記載事項の見直し。これについては、格付に関する記載事項を削除した。
◆ グループ指定制度を創設
無登録格付を提供する際の金融商品取引業者等の説明義務について、説明事項に係るグループ指定制度を創設した。複数の法人がグループとして共通の格付を付与する場合は、説明事項の一部が変わる。
例えば、グループ内に登録業者が存在し、その他の無登録業者のうち@情報の公表状況が登録業者と同水準、Aグループ共通の格付け方法等の採用、B登録業者を通じてグループ共通の格付け方法等を公表、の要件を満たす場合は、金融庁長官の指定を受けることで、「無登録業者の名称・代表者・所在地」と「格付付与の方針・方法の概要」の項目がグループの要件を反映した記載内容になる。
(以上参考;週刊「経営財務」第2983号)
(このコンテンツの使用に関し(株)税務研究会の許諾を受けています。)
|
|
Copyright (C) 1999- M&A Intercross Co.,Ltd , All rights reserved.