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M&Aニュース

                                               2010年10月01日
 




 

   
連結法人間で行われた寄附の場合は寄附修正不要               
            
    
   
  
100%グループ法人間で行われた寄附に係る
                       株主の寄附修正 
     
          

     
 10月1日から、いよいよグループ法人税制の取引に関する制度が本格的に適用される。
 グループ法人税制は、連結納税制度を包含する制度であることもあり、各種制度は連結納税制度と同様の内容となっているが、100%グループ内法人間で行われた寄附に係る制度については、連結納税を導入していない法人が授受を行った場合、その株主は寄附修正をする必要がある一方、連結法人が授受を行った場合には、株主の寄附修正は不要とされている違いがある点にあらかじめ留意したいところだ。


◆ 寄附修正は直接の株主法人のみ


 既報のとおり、平成22年10月1日以後に100%グループ内の法人間で寄附金の授受が行われた場合、支出した法人は全額損金不算入、受領した法人は全額益金不算入とされ、寄附金の授受を行った法人の株主は、寄附金相当額のうち持分割合に相当する金額を子法人株式の帳簿価額に加算又は減算するとともに、同額を自己の利益積立金額に加算又は減算する「寄附修正」を行わなければならないこととされる(法令9@七、119の3E)。
 この寄附修正は、100%グループ内で資産を無税で移動させることにより恣意的に株式の譲渡損を生じさせるなどといった租税回避行為を防止する目的で設けられている制度だが、実務上の事務負担の配慮から寄附修正を行わなければならない株主は、寄附金の授受を行った法人の直接の株主に限定されている。


◆ 連結子法人の株主は寄附修正の対象から除かれる


 ところで、連結法人間で寄附金の授受が行われた場合も、上記と同様に支出した法人は全額損金不算入、受領した法人は全額益金不算入となるが、寄附金の授受を行ったことに伴う株主の寄附修正についてはその対象から除かれている。これは、連結納税の場合”投資簿価修正”があるためだ。
 投資簿価修正とは、連結子法人の所得に対して課税され更にその連結子法人株式の譲渡益にも課税されると、連結子法人が稼得した利益に二重課税が行われてしまうことや、連結子法人の欠損を損金としながらその連結子法人の株式の譲渡損を損金とすると二重に控除されてしまうことを避けるため、連結子法人の株式を譲渡する場合や、連結子法人が連結グループから離脱する場合、連結子法人株式等の評価換えを行う場合に、連結子法人の株式の帳簿価額を修正するというものだ。
 以上のことから、連結子法人が寄附金の授受を行ったことにより移転した株式の価値については、株主法人は寄附が行われた段階では修正せず、連結子法人の株式の譲渡等をする段階で修正を行うことになる。
 ちなみに、連結納税制度の投資簿価修正の場合、連結グループの頂点まで連鎖的に修正が要される点にも留意されたい。




       (以上参考;週刊「税務通信」第3132号)
       (このコンテンツの使用に関し(株)税務研究会の許諾を受けています。)






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