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M&Aニュース

                                               2010年10月04日
 




 

   
  連結納税導入に係る赤字会社の試験研究費    
            
    
   
  
       従来どおり研究開発税制の対象に     
          

     
 連結納税制度では、加入前の子会社欠損金の持込み制限の緩和や、受贈益の益金不算入の創設などデメリットが少なくなった影響で、連結納税の導入を検討している企業グループが多いようだ。
 ところで、大規模な企業グループでは、欠損子会社であてtも多額の試験研究費を計上するところがある。そのような欠損子会社を含めて連結納税制度を導入した場合、紐付きとはいえ子会社の未処理欠損金額を持ち込めるうえに、欠損会社の試験研究費を使って税額控除できてしまう。このことから、欠損会社の試験研究費を研究開発税制の対象にして良いのか疑問が生じている。
 今回、研究開発税制では、今までと同じく欠損会社の試験研究費も研究開発税制の対象になるとのことだ。したがって、連結納税導入を検討している場合、税額控除制度も含めて判断することになろう。


◆ 子会社の欠損は特例連結欠損金額として自身の所得から控除可能


 連結納税制度における欠損金の繰越控除は、今年度改正で連結子法人の欠損金の持込み制限が緩和され、連結納税加入後の所得計算で、連結子法人の未処理欠損金額は、その連結子法人の所得から控除できるようになった(法法81条の9)。
 一方、連結納税制度における研究開発税制は、各社の個別帰属の税額ではなく、連結法人全体の連結税額から控除できる。つまり、欠損の連結子法人の試験研究費も一体として計算され、連結親法人や他の連結子法人が黒字であれば算出された連結税額から控除できていた。今回の改正では、連結欠損金額の改正に係る制限は措置されていない。従来と同様に試験研究費を計上した企業が赤字であっても研究開発税制の試験研究費に含めることができるようだ。


◆ 外国税額控除や所得税額控除も同様


 このため、試験研究費を計上している欠損法人を含めて連結納税を導入すれば、今後は連結子法人の欠損金額が持ち込め、さらに研究開発税制の税額控除額の計算ができるというメリットを受けられることになる。
 例えば、子会社(資本金1億円超)の未処理欠損金額500、当期の試験研究費900、当期所得100、親会社(資本金1億円超)の当期所得2,000で、当期に連結納税制度を導入した場合、連結所得が2,000(=2,000+100−100)で連結税額は600、試験研究費の税額控除額が90(=900×10%)で、納税額は510となる。連結納税を導入しなければ、子会社納税額が0で納税控除額も0、親会社納税額が600であることから、、子会社の試験研究費の税額控除分だけメリットが生じることになる。
 なお、研究開発税制のほかにも、外国税額控除制度、所得税額控除制度においても、連結法人全体で税額控除を適用できるが、中小連結法人が適用できるエネ革税制の税額控除などは法人税個別帰属額を対象にしか控除できない。






       (以上参考;週刊「税務通信」第3132号)
       (このコンテンツの使用に関し(株)税務研究会の許諾を受けています。)






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