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M&Aニュース

                                               2010年10月18日
 




 

   
  譲渡損益調整資産の課税繰延べと組織再編
             
               
            
    
 
     完全支配関係間による適格合併等は繰延べを継続
 
      
                         
          

     
 譲渡損益調整資産の課税繰延べ制度では、合併等が行われて被合併法人等が譲渡法人、譲受法人である場合、譲渡法人において繰延べている譲渡損益は戻入れることになる。
 しかし、適格合併等で、しかも100%企業グループ内であれば、戻入れされずに課税繰延べは継続される。同制度の適用のある企業では組織再編が行われることが多いことから、再編時に繰延べの状況を確認しておきたい。


 
◆グループ内適格合併は戻入れの対象外


 譲渡損益調整資産の課税繰延べ制度では、株式の譲渡や合併等による解散によって譲渡法人と譲受法人との間において完全支配関係がなくなると、繰延べていた譲渡利益額・譲渡損失額は戻入れることになる。(法法61条の13B)。ただ、完全支配関係がある内国法人を合併法人とする適格合併で、”譲渡法人が被合併法人”、”譲受法人が被合併法人”の場合は対象外とされ、課税繰延べが継続される。
 このうち、譲渡法人が完全支配関係のある合併法人と適格合併するケースでは、合併法人は新たな譲渡法人として繰延べを引継ぐ(法法61条の13D)。また、適格合併の場合、資産、負債は簿価で合併法人に引継がれた資産等の中に譲渡利益額・譲渡損失額も含むこととされている(法令122条の14M)。
 さらに譲渡損益調整資産が減価償却資産である場合の戻入れの計算が、適格合併前において簡便法を採用していれば(繰延資産も同様)、合併法人である新たな譲渡法人も簡便法で戻入ることになるが、新たな譲渡法人の簡便法適用初年度の戻入れ額は、「繰延べ額×((当期の月数-事業年度開始日から適格合併日の前日までの月数)/耐用年数×12)」となる。


 ◆ 資産が移転してもグループ内適格再編であれば繰延べ継続


 一方、譲受法人が被合併法人となる適格合併では、合併法人に譲受法人の地位が引継がれる(法法61条の13E)。そのほか、合併以外における組織再編でも資産の移転が生じるが、完全支配関係がある内国法人との間での適格組織再編によって、譲受法人から譲渡損益調整資産が移転した場合、移転先法人が譲受法人とみなされ(法法61条の13E)、引続き譲渡法人では譲渡利益額・譲渡損失額を繰延べておくことになる。適格組織再編は適格合併以外に、適格分割、適格現物出資、適格現物分配が該当する。






       (以上参考;週刊「税務通信」第3134号)
       (このコンテンツの使用に関し(株)税務研究会の許諾を受けています。)






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