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M&Aニュース

                                               2010年11月09日
 




 

   
現物分配された資産が自己株式である場合の税務
 
     
  適格要件に該当する場合は無税で自己株取得が可能に
          

     
 

 会社法上、子会社が親会社株式を取得してはならないとされているが、再編時において子会社が親会社の株式を保有するケースがある。このような場合、子会社は相当な時期にその有する親会社株式を処分しなければならないが(会社法135条)、その処分方法として、現物分配制度を利用し”配当”として親会社で株式を引き渡すことも可能だ。
 ところで、平成22年度改正では現物分配の定義が明文化されたとともに、組織再編の一形態である適格現物分配が新たに規定され、現物分配法人と被現物分配法人との間に完全支配関係がある等の適格要件を満たしていれば、現物分配法人は譲渡損益を認識しないとともに源泉徴収も行われず、また被現物分配法人においても収益を益金の額に参入しないこととなった。
 このことから、親法人と子法人との間に完全支配関係がある場合には、課税関係を生じさせることなく親法人は自己株式を取得することができることになる。


 ◆ 改正で適格現物分配は再編の一形態に


 平成22年度改正では、現物分配が明文化され、法人がその株主等に対して剰余金や利益の配当、資本の払い戻し、自己株式の取得など一定の事由により金銭以外の資産を交付することと定義された(法法2@十二の六)。
 そして、現物分配法人と現物分配を受ける法人との間に、現物分配の直前において完全支配関係がある場合(資産の移転を受ける者が100%関係のある法人のみである場合に限られる)、その現物分配は「適格現物分配」とされ、組織再編税制の一形態として位置づけられた。
 適格現物分配に該当する場合、移転した資産は直前の帳簿価額による譲渡をしたものとし、現物分配法人は譲渡損益が生じないこととされたとともに、配当に係る源泉徴収等の課税関係を生じさせないため配当の範囲から適格現物分配が除かれている(所法24@)。
 また、被現物分配法人においても移転を受けた資産の取得価額は適格現物分配の直前の帳簿価額に相当する金額とされ、収益は益金の額に算入しない(法法62の5C、法令123の6@)。


 ◆ 親会社株式を適格現物分配した場合は譲渡損益は生じない


 ところで実務では、会社法で子会社が親会社株式を取得してはならないこととされているが、再編時等において子会社が親会社の株式を取得するケースがあるようだ。このような場合、子会社は有する親会社株式を処分しなければならないこととされているが、現物分配制度を利用し、子会社が親会社に配当として株式を引き渡すことも可能だ。
 例えば、100%子法人が保有している、1株当たり帳簿価額100・時価120の親会社株式10株を、子法人が現物分配(配当)として親法人に移転した場合、税務上は適格現物分配に該当するため、現物分配法人である子法人は簿価で譲渡したことになり譲渡損益は生じない。また、剰余金の配当等を事由に分配を行った場合は、広大地は「その地域」における標準的な宅地の地積に比して著しく地積が広大な宅地で開発行為を行うとした場合に公共公益的施設用地の負担が必要なものとされるが、ここでいう「その地域」について、原則として、評価対象地周辺の@河川や山などの自然的状況、A土地の利用状況の連続性や地域の一体性を分断する道路、鉄道及び公園などの状況、B行政区域、C都市計画法による土地利用の規制等の公法上の規制など、土地利用上の利便性や利用形態等に影響を及ぼすものなどを総合勘案し、利用状況や環境等が概ね同一と認められる、住宅、商業、工業など、特定の用途に供されることを中心としたひとまとまりの地域を指すことになるとしている。





       (以上参考;週刊「税務通信」第3137号)
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