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M&Aニュース

                                               2010年11月15日
 




 

   
頂点が個人であれば出資関係図に個人株主一覧を掲載
 
     
     少数株主法人と解散子会社の欠損金の引継ぎ制限の有無
          

     
 

 
◆ 出資関係図の最上位が個人の場合の記載について


 平成22年4月1日以後開始事業年度から確定申告書の添付書類となった完全支配関係間の出資関係図(法規35条四)について、平成22年10月6日付質疑応答事例(以下、質疑第二)の問1では、出資関係図に関する記載事項と作成例が紹介されている。出資関係図の作成に関して、最上位の者を頂点として系統的に記載することとし、作成例において最上位の者が法人であるケースを示している。
 ところで、個人による完全支配関係がある法人の場合も出資関係図を確定申告書に添付することになる。最上位の者が個人の場合、出資関係図の最上位を「「個人」と記して、出資関係者(個人)の一覧を明記することになるようだ。


 ◆ 欠損金引継ぎに係る解散子会社の少数株主は多数株主と同じ制限


 完全支配関係があるグループ内の解散子会社について、残余財産が確定した場合、解散子会社の前7年内事業年度の末処理欠損金額を株主である親会社等が引継ぐことができるようになった。解散子会社の株主が複数存在する場合、持分割合に応じて、引継ぎ額を按分することが改めて示された(質疑第二問6)。解説の中では、残余財産確定日翌日の属する事業年度開始日の5年前の日から支配関係(支配関係要件)がなければ、欠損金の引継ぎが制限され、特定資産譲渡等損失の損金不算入の適用があることも述べている。
 過半数の株式を所有する筆頭株主などの法人の場合(図では内国法人G2)は、支配関係の判定で欠損金の引継ぎ制限等の有無は判断できる。ただ、残りの少数株主(図では内国法人G3)に対する欠損金の引継ぎ制限の有無は、どのように判定するのかという疑問が生じる。
 しかし、解散子会社の少数株主の法人も、100%グループ内の法人であり、一の者に直接・間接保有などによる支配の状況、または当事者間の支配関係のある相互の関係の状況にある。少数株主法人の株式の保有は、結果として、解散子会社に対するグループ全体の影響が強まったものといえる。言い換えれば、筆頭株主など発行済株式総数の過半数を直接、間接に所有している株主の持分割合が高まったといえる。このことから、筆頭株主などの多数株主が、支配関係要件を満たして引継ぎ制限がなければ、少数株主も引継ぎ制限を受けることにないという。
 例えば、図の内国法人G2が10年以上前から内国法人G4株式を50%超保有していて、内国法人G4の残余財産確定日の2年前に、内国法人G4株式の残りを内国法人G3が所有しはじめたとする。内国法人G3の内国法人によるG4株式保有開始時期は5年以内であるものの、グループ内の内国法人G2は支配関係要件を満たすことから、内国法人G3も引継ぎ制限がなく、内国法人G4の未処理欠損金額を引継げることになる。


 
◆ 客観性の担保がない場合の実存性のない資産の取扱い


 企業の清算や再生の状況で実在性のない資産があった場合、法的整理手続等の「客観性の担保」が認められれば、実在性のない資産の帳簿価額相当額を利益積立金額から減算することで期限切れ欠損金額と取り扱って差し支えないとしている(質疑第二問11)。
 その一方で実在性のない資産があるケースでは、「客観性の担保」がない状況も起こりうるが、客観性の担保がない場合は個々の事情により判断されることになるとのことだ。




   









       (以上参考;週刊「経営財務」第2990号)
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