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M&Aニュース

                                               2010年11月16日
 




 

   
   IFRS9号に金融負債の分類・測定を追加
 
     
  IASB 金融商品会計基準改訂の第一段階完了
          

     
 

 

 国際会計基準審議会(IASB)は10月28日、金融負債の分類・測定に関する規定を現行のIFRS第9号「金融商品」に追加した。IFRS第9号は、金融資産を「償却原価」と「公正価値」の2分類で測定する。今回の内容追加により、金融負債も同分類によって測定することになる。多くは「償却原価測定」に分類される見込みだが、公正価値測定する負債の評価差額は「その他包括利益」(OCI)で表示する。IFRS第9号の適用は2013年1月1日以後開始する事業年度から。早期適用する場合は、金融資産とともに負債の分類・測定を定めた今回の内容も含めて適用することになる。


 ◆ 第一段階「分類・測定」が完了


 金融資産の分類・測定方法を定めたIFRS第9号は2009年11月に公表された。IASBは投書、同基準の内容に金融負債も盛り込む考えだった。だが、自己の信用リスクが高まると負債が減少して利益がでる「負債のパラドックス」といった問題の指摘や、負債の分類・測定について再検討を求める声が多かったこともあり、これまで検討を続けていた。
 28日に発表した「金融負債の会計処理に関する要求事項」では、負債の分類について資産と同じ「償却原価」と「公正価値」による測定の2分類を求める一方、公正価値で測定した場合に生じる自己の信用リスクの変動を受けた評価差額は純利益を経由せず「その他包括利益」(OCI)で表示させることにした。また、負債を決済したあとも評価差額金の損益への振替(リサイクリング)はしない。
 この内容追加によって、3段階で進めている「金融商品会計基準改正の第一段階が完了」した。


 ◆ 指摘された問題への対応


 金融負債の議論でIASBは、次の点を重点的に検討したようだ。

@(事案)自己の信用リスクに係る変動額を純利益を経由してOCIで表示→(基準)直接OCIで表示
A公正価値評価する金融負債の評価差額をOCIで表示する場合に生じる「「会計上のミスマッチ」の検討BOCI表示の評価差額は、それに係る負債が決済されてもリサイクリングしない(草案の考え方を維持)

 今後は第2、第3段階として「減損」と「ヘッジ会計」の基準化作業が進む。2011年6月までに金融商品会計プロジェクトは完了する予定。







       (以上参考;週刊「経営財務」第2991号)
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