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M&Aニュース

                                               2010年11月26日
 




 

   
政府税調 相続時清算課税の対象を
               「孫」の世代まで拡大
 
     
相続税の基礎控除や死亡保険金等の非課税枠の見直し検討
     
        

     
 
 来年度の税制改正作業を進める政府税制調査会では、資産課税に関する検討課題として相続税の基礎控除の縮小等が取上げられた。バブル崩壊後も手つかずだった相続税の基礎控除の引下げや税率構造を見直す一方、若年世代へ資産移転を促す観点から相続時精算課税の対象を「子」から「孫」の世代へ拡大する措置を検討する。
 さらに、政府税調は、会計検査院から指摘を受けた死亡保険金・死亡退職金に係る相続税の非課税枠についても23年度税制改正の検討課題として見直しの対象とした。


◆ 相続税 基礎控除はバブル前の水準に引下げ


 平成22年度税制改正大綱では「格差税制の観点から、相続税の課税ベース、税率構造の見直しについて平成23年度改正を目指します」と明記。相続税の課税対象者の割合が4.2%にとどまり、かつて6%だったバブル期よりも低水準にあることから、来年度税制改正では相続税の基礎控除(5000万円+法定相続人数×1000万円)の縮小を検討。5000万円の定額部分は3000万〜4000万円台に引下げ、法定相続人1人につき1000万円の非課税部分も見直しを検討する。
 昭和63年12月改正前は14段階あった税率構造は、累進構造が緩和されてきた。現行は6段階の累進構造で、相続人の取得金額が3億円超の部分については、50%の最高税率が課されるが、来年度改正では基礎控除の縮小と合わせ、税率構造の見直しで課税ベースの拡大に向けた検討を進めるという。


◆ 会計検査院が死亡保険金等の非課税枠に関して指摘


 また、現行では相続人が取得した死亡保険金・死亡退職金については法定相続人1人につき500万円の非課税枠(500万円×法定相続人数)が設けられている。
 しかし、会計検査院は平成18年度決算の検査報告において「死亡保険金の非課税措置については、高所得者も適用しており、節税目的と思慮されるものも見受けられる」と指摘。政府税調は、会計検査院による指摘を踏まえ、様々な金融商品がある中で死亡保険金等については課税の適正化の要請から見直す方向だ。


◆ 贈与税 税率構造の緩和と精算課税の対象拡大


 被相続人の高齢化が進展する中で、80歳以上の被相続人の子は50歳代以上が想定され、現行制度では相続による資産移転は進みにくい状況とみられる。このため、潜在的な消費意欲の強い若年世代へ資産移転を促すことにより経済活性化につなげる観点から、贈与税の暦年課税については税率構造の緩和を検討する。
 さらに、現行の相続時精算課税制度については、贈与者を65歳以上の親、受贈者を20歳以上の推定相続人としているが、政府税調では受贈者の範囲について現行の「子」から「孫」の世代まで広げる案が示されており、具体的な制度設計を含めた今後の議論の行方が注目される。





       (以上参考;週刊「税務通信」第3140号)
       (このコンテンツの使用に関し(株)税務研究会の許諾を受けています。)






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