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                                               2007年3月06日

改正信託法に対応した税制の措置

 昨年12月の臨時国会で成立・公布された改正「信託法」は、大正11年の制定以来、およそ80年ぶりの改正となり、これまでより多様な類型の信託が利用できることにより、企業活動の選択肢の拡大が期待されている。
 19年の税制改正では、この新しい信託法に対応した税制上の手当ても行われるが、現行の受益者課税が維持されるものの、不当に法人税を回避するような行為を防止するため、受益者課税等を行うことで、租税回避に対応することとなる。


基本形な信託においては、自己の財産を提供して信託財産とする「委託者」、契約に定められた目的に従い、受託した信託財産を管理し運用する「受託者」、信託財産から財産の給付を受け、受託者の監視・監督を行う等の受益権を有する「受益者」の3者から信託が成り立っている。
 このような基本形の信託であれば、信託財産に属する財産は、実質的に受益者に帰属(パススルー)することとなり、財産の給付を受ける受益者課税が行われる。
 これに対し、課税上の弊害が生ずることが懸念されているのは、改正信託法で新たに創設された、委託者と受益者が同一の「自己信託」や、受益者の定めのない「目的信託」等である。
 例えば、法人が行っている事業の一部を自己信託し、その法人株主等にその受益権が交付される場合には、信託された第三工場の収益に対して、A社に対しては課税できないこととなる。
このような場合を想定し、事業の重要な一部又は全部について、信託が設定され、かつ、受益権の過半数がその法人株主に交付されることが見込まれるような場合には、受託者の信託財産から生ずる所得について法人課税を行うことで対応することとなる。


(以上参考;週刊「税務通信」第2956号)
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