M&Aニュース

                                               2007年3月22日

税法上の特例が適用される三角合併

会社法における「合併対価の柔軟化」により、親会社株式等を対価とする三角合併等が平成19年5月1日から可能となる。
 「合併等対価の柔軟化」とは、合併法人(存続会社)が被合併法人(消滅会社)を吸収合併等する場合、被合併法人の株主に対して、合併法人株式等の代わりに、合併法人の親会社株式等を交付することが認められる制度のこと(会社法749@二、会社法附則4)。これに対応する形で、平成19年度税制改正では、原則として、いわゆる100%親会社株式等(合併法人との間に当該合併法人の発行済株式等を全部保有する関係として政令で定める関係がある法人の株式等)を対価とする三角合併等も税法上の適格合併等とされ、被合併法人の株主に対する資産の譲渡益課税の繰延べが認められることとなる(法法2十二の八)。
 具体的には、外国親会社の100%子会社が100%親会社株式を合併対価として日本の企業を吸収合併する場合、まず、日本の企業(被合併法人)から子会社(合併法人)への資産の移転が行われる。この場合、資産の移転により日本の企業に譲渡益が生じることが原則であるものの(法法62)、この吸収合併が日本企業の株主に対して100%親会社株式のみが交付されるものであることを前提に、一定の要件をクリアした「企業グループ内の合併」か「共同事業を営むための合併」であれば、資産の移転による譲渡益課税は例外的に繰延べられることとなる予定だ(法法62の2)。
 また、日本企業の株主は吸収合併に伴い、外国親会社株式を合併対価として、日本企業の株式を譲渡する。この場合、株主には株主譲渡益課税が生じることが原則であるものの、日本企業の株主に対して100%親会社株式のみが交付されるものであれば、株式譲渡益課税は繰延べられる(法法61の2、措法37の10)。
 なお、企業グループ内の合併であっても、特定外国法人(一定の要件の下、軽課税国に所在する法人)に該当する親会社株式を対価とするものなどである場合は非適格合併となり、税法上、課税の繰延べは適用されないことなどとされる。また、これらが税法上適格とされるか否かの詳細は今後明らかにされる政令で定められる予定なので留意されたい。


(以上参考;週刊「経営財務」第2811号)
(このコンテンツの使用に関し(株)税務研究会の許諾を受けています。)





Copyright (C) 1999- M&A Intercross Co.,Ltd , All rights reserved.
omo