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                                               2007年4月16日

評価明確化された3類型の種類株式

会社法によって株式の内容や権利の異なる種類株式の発行が容易になった。商法では、議決権制限株式の発行は2分の1までとされていたが、会社法では株式譲渡制限会社についてはこの制限が撤廃されたことから、中小企業においては、とくに事業承継対策の場面で活用の可能性が出てきたといわれているところだ。
 そこで、実際に中小企業での導入が見込まれる、配当優先の無議決権株式、社債類似株式、拒否権付株式の3種類の種類株式について、このたびの国税庁の文書回答で評価方法が明確化されることになったわけだ。
 無議決権株式は、株主総会での議決権の内容が制限された株式。会社が発行した無議決権株式をオーナー経営者があらかじめ取得し、相続においては、事業の後継者には普通株式を、後継者以外の相続人にはこの無議決権株式を相続させれば、後継者に議決権を集中させることが可能となる。議決権が拡散することを防止できるため、事業承継の円滑化に有効といわれる。議決権の有無を考慮し、全体の株式評価額は変わらないことを前提に5%の調整を選択できる。
 社債類似株式は、優先配当であること、無議決権株であること、一定期間後に発行会社が発行価額で取得すること、他の株式を対価とする取得請求権を有しないことといった条件を満たすものが該当、発行価額で評価される。
 拒否権付株式は、特定の事項について、株主の総会の決議の他にその拒否権付株式を有する株主の承認が必要となる株式でいわゆる黄金株だ。
 オーナー経営者が一定期間保有して後継者の独断専行を防ぐなどの活用方法がある。ただ、1株あたりの経済的な価値が変わるわけではないので、拒否権は考慮されず普通株式と同様に評価される。


(以上参考;週刊「税務通信」第2961号)
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