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                                               2007年4月25日

マザーズ 成長なければ上場廃止も


 東証 上場制度整備懇談会中間報告を公表  



  東京証券取引所は3月27日、「上場制度整備懇談会中間報告」を公表した。同中間報告では、1.企業行動に関する制度の整備、2.市場制度の整備、3.上場諸規則の実効性確保、についての方向性が示されている。この中の3.上場諸規則の実効性確保では、規則に違反した場合に、一定の制裁金を課す制度の導入などが打ち出されている。なお、東証では、これを基に4月中にも「上場制度総合整備プログラム」を改訂・公表し、早ければ6月中にも公表する上場規則等の改正案要綱に反映させたい考えだ。


重要性に照らした積極的な開示を



   近年、適時開示の形式的な開示要件に該当しない事象について、実質的な投資判断上の重要性に照らした積極的な開示が行われない事例が見受けられるとの指摘がある。このことから、中間報告では、ガイドラインを示すなど、広く開示が行われるよう対応を図ることが望ましいとしている。(1.企業行動に関する制度の整備)
 また、「マザーズの質の維持」という観点から、マザーズ上場後一定期間経過後に所定の成長を達成できない企業については、上場を廃止する措置を導入する方向で制度整備を行うことが適当であるとしている。(2.市場制度の整備)
 以下は、上記以外の中間報告での主な検討項目と制度整備の方向性。なお、本文については東証HPで確認されたい


1.企業行動に関する制度の整備
検討項目 制度整備の方向性
・企業行動に関する行動規範のあり方  従来から上場会社に要請してきた事項(内部者取引の未然防止に向けた体制整備等)や規範的要素を含む上場規則などを新たに設けられるべき企業行動に関する規則(利害関係者との利益相反取引、MBO及び親会社・支配株主による買収など)と合わせて再整理することが適当。(▲)
・子会社上場制度のあり方  子会社上場は必ずしも推奨されるものではないという東証の基本的なスタンスを公表すべき。少数株主との利益相反による弊害などを防止するための措置を充実させることが適当。(▲)
・種類株式の上場制度  原則として議決権種類株式の上場は、新規公開時にのみ認める方向で検査することが適当。

 ※表中の(▲)は本文中に「引き続き検討が望まれる」等の文言がある場合に付した。

2.市場制度の整備
・市場区分のあり方  現行の流動性に基づく市場区分については、市場評価の観点を加味した明確かつ定量的な基準(浮動株時価総額など)を中心に再設計を行う方向での検討が望ましい。
・売買単位の集約  1単元100株と1単元1000株への集約に向けた基本方針(行動計画)を策定、本年度中公表の方向で調整を行うことが適当。
・流動性等に係る基準の見直し  上場廃止基準においては、株主数基準の逓増方式を廃止し一定水準で固定すること、少数特定者持株比率水準に代えて一定の浮動株式数及び浮動株時価総額を求めることが考えられる。


3.上場諸規則の実効性確保
上場諸規則の実効性の確保  上場諸規則に違反した場合の対応として、一定の制裁金を課す精度の導入が考えられる。また、有報等への「虚偽記載」等において、上場廃止としないまでも、社内体制等の改善を促す観点から、新たな市場区分を設け、継続的チェック(区分管理)を行うといった制度の導入も検討に値する。




以上参考;週刊「経営財務」第2815号)
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