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                                               2007年4月26日

ASBJ 信託の会計処理で実務対応報告案

  「事業の信託」など親類型の会計処理等を明示  

  企業会計準備委員会(ASBJ)は3月29日、実務対応報告公開草案26号「信託の会計処理に関する実務上の取扱い(案)」を公表した。5月7日まで意見を募集する。昨年12月公布の信託法(以下、新信託法)により、「事業の信託」など新たな制度が導入されたことから、これまでの信託の基本的な会計処理を整理するとともに、新類型の信託等について必要と考えられる会計処理をQ&A形式で明らかにしている。
 適用は新信託法の施行日以後にその効力が生じた信託及びそれより前に効力が生じた信託が信託の変更により新信託法の規定を受ける信託について(但し、自己信託については、新信託法の施行日から起算して1年を経過するまでの間は適用しない)。

既存の会計処理を分類・整理


  これまで、信託に関する会計処理は、金融商品会計基準や不動産流動化実務指針などに基づいて行われていた。今回の実務対応報告では、委託者兼当初受益者が単数か複数か、信託財産とする財産が金銭か金銭以外かによって4つに類型化(Q1〜Q4)、それぞれについて会計処理を整理している(表参照)。
 また、新信託法によって導入された「事業の信託」(Q5)、「目的信託」(Q6)、「自己信託」(Q7)については前記のQ1〜Q4をベースに会計処理を明らかにしている。

(表)受託者及び受益者の会計処理
 (これまでの信託の一般的な分類による)
信託行為によって信託財産とする財産の種類 委託者兼当初受益者
単数(合同運用を除く) 複数(合同運用を除く)
金銭の信託 Q1 Q2
金銭以外の信託 Q3 Q4


委託者兼当初受益者が複数である金銭以外の信託における会計処理(Q4)


これまで、金銭以外の信託では、複数の委託者兼当初受益者の財産を合同で運用することはあまりみられなかった(例えば委託者兼当初受益者のAとBがいると仮定し、Aが土地、Bが機会を委託し、事業をする場合などが考えられる)。
 そのため、会計基準等においても会計処理が明示されておらず、今回の実務対応報告案ではじめて明らかにさえrた。
 具体的には、共同で現物出資により会社を設立するときにおける移転元の企業の会計処理(企業会計基準7合「事業分離等に関する会計基準」第31項)に準じて行うこととされている。

「事業の信託」における処理(Q5)

 また、委託者兼当初受益者が複数である金銭以外の信託において、財産が「事業」となる信託については、Q5で扱っている。
 この場合、各委託者兼当初受益者は、受益者に対しそれぞれの事業を移転し、受益権を受け取ることとなり、共同新設分割における分離元企業の会計処理(事業分離等会計基準第17項、第20項及び第23項、企業結合に係る会計基準三3(7))に準じることが適当であるとしている。

(以上参考;週刊「経営財務」第2815号)
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