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                                               2007年5月21日

新株予約権付社債等に関する適用指針を公表


  ASBJ 取得条項付CB・外貨建CBの取扱いを追加 

 企業会計準備委員会(ASBJ)は4月25日、「払込資本を増加させる可能性のある部分を含む複合金融商品に関する会計処理」(企業会計基準適用指針第17号)を公表した。平成17年12月27日に公表した「会社法による新株予約権及び新株予約権付社債の会計処理に関する実務上の取扱い」(実務対応報告第16号)の内容を改正後の「金融商品に関する会計基準」(企業会計基準第10号)と整合させ、これを適用指針として公表するものだ。
 適用指針には、金融機関などから質問が多く寄せられていた取得条項付の転換社債型新株予約権付社債(以下「取得条項付CB]という)の取扱いも明示した。会社法において、取得条項が付された新株予約権付社債を発行することが可能となったことに対応したものだ(現在、取得条項付CBを発行している会社は4社。日本郵船、凸版印刷、東武鉄道、コニカミノルタHD)。取得条項付CBの発行者が、自社の株式の市場価格が転換価格を上回ることを条件とした取得条項に基づき、当該転換社債型新株予約権付社債を取得する場合の発行者側の会計処理と社債権者側の会計処理を示している。その他、会社法に基づき発行された外貨建転換社債型新株予約権付社債について、発行時に区分法を採用している場合の会計処理を追加している。
 適用は、公表日(平成19年4月25日)以後終了する事業年度及び中間会計期間から。

取得条項付の転換社債型新株予約権付社債に関する会計処理(取得時の発行者側の会計処理)
取得の対価 取得時に消却するかどうか 会計処理
(1)現金 取得と同じに消却する 繰上償還する場合に準じて処理(※3)
上記以外 自己社債の取得に準じて処理(※4)
(2)自社の株式 取得と同時に消却する(※1) 転換社債型新株予約権付社債に付された新株予約権が行使された場合に準じて処理(※5)
上記以外) 自己社債の取得に準じて処理(※4)
(3)現金と自社の株式 取得と同じに消却する(※2) 転換社債型新株予約権付社債に付された新株予約権が行使された場合に準じて処理(※5)
上記以外 自己社債の取得に準じて処理(※4)
(※1) @ 発行者が、当該取得条項に基づき、当該転換社債型新株予約権付社債に付された新株予約権の目的で ある自社の株式の数を交付することにより取得し、A当該取得条項に基づいて取得した際に消却することが 募集事項等に示されており、かつ、当該募集事項等に基づき取得と同時に消却が行われた場合。
(※2) 次のすべてを満たす場合。
@ 取得条項に基づく取得の対価の金額は、当該取得条項に基づき、当該転換社債型新株予約権付社債に  付された新株予約権の目的である自社の株式の数に基づき算定された時価であること。
A 当該取得条項に基づいて取得した際に消却することが募集事項等に示されており、かつ、当該募集事項  等に基づき取得と同時に消却が行われていること。
B 現金の交付がすべて社債部分の取得に充てられ、自社の株式の交付がすべて新株予約権部分の取得に 充てられるように、現金と自社の株式を対価とするそれぞれの部分があらかじめ明確にされ、これらの額が  経済的に合理的な額と乖離していないこと。
(※3)  取得した転換社債型新株予約権付社債の帳簿価額とその対価としての払出額との差額を当期の損益として処理する。
(※4)  金融商品会計基準における有価証券の取得に準じて、時価に基づき処理する。
(※5)  取得した転換社債型新株予約権付社債に付された新株予約権が行使されたときに準じて、帳簿価額に基づき処理する。



(以上参考;週刊「経営財務」第2818号)
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